ジッターが出るとポーリングレートも下がる
ここまでの検証では、どれだけマウスのレポートが定刻通りに届くかに着目した。ではマウスレポートが競合するUSBデバイスによって乱されるとどうなるか? ジッターが増えるとどんなデメリットがあるのだろうか?
答えは「ジッター増により実効ポーリングレートが下がる」である。USBPcapのログから、セットAの1〜5、セットBの6〜10における実効ポーリングレートを計算してみた。


マウスのレポートが競合する負荷源によって乱されるとジッターが増加し、結果として実効ポーリングレートも大きく低下する。今回試した10パターンのうち、マウスにネガティブな結果を与えたパターンは2(Webカメラ+DAC+マウスを同一USBコントローラーに接続)のみだったが、このパターンでは実効ポーリングレートは7521Hzにまで低下した。
8000から7500なので大したことはないように見えるが、負荷のかけかたを間違えればマウスの性能は落ちるのだ。
Lightning Gaming Portsを使えば試行錯誤は最小で済む
以上でLGPの検証は終了だ。わかったことは以下の通りだ。
- 同じUSBコントローラーにマウスとアイソクロナス転送デバイスを混ぜ、両方を動かすとマウスレポートが定刻通り届かなくなる
- マウスとアイソクロナス転送デバイスは別々のUSBコントローラーに接続すれば問題ない
- LGPであっても同じUSBコントローラーにマウスとアイソクロナス転送デバイスを接続すれば、マウスに悪影響が出る
- LGPが接続されている別のUSBポートを使えば、LGPと同じ効果が得られる
- キーボードはマウスと同じUSBコントローラーに接続しても問題ない
LGPがゲームに強いのか? という多くのユーザーが気になる疑問に対する解答はBから導き出される。マウスのレポートが他のデバイスの影響を受けず確実に届けられるのだから、プレイヤーの微妙な操作も取りこぼさず、かつジャストインタイムでゲームに届く(実際はOSやゲーム由来のジッターもあるが、元のデータにジッターが含まれていないことが重要だ)。
ただしCにおいては、たとえLGPであっても問題が出る場合もあるということが導き出される。とはいえ、Cが効いてくるのはUSB 2.0のアイソクロナス転送デバイスを使った場合であり、USB 3.0世代のWebカメラやキャプチャーカードでは問題は発生しないので、USB 2.0のアイソクロナス転送デバイスを極力排除することで回避可能だ。
そしてDからは、競合する負荷源と物理的に隔離するのがLGPの本質であり、黄色いUSBポートは、その「目印」として有効であることがわかる。物理的に異なるコントローラーを使えば、LGP非搭載のマザーボードでも同じことができる。しかし、ユーザーがどうやって正解のUSBポートを見分けるか? ここがASRockの着眼点の良いところだ。
現在のLGPはひと目でわかるようポートが色分けされており、とにかくここにマウスを装着すれば良い、という安心感がある。そしてB850M Challenger WiFi Whiteの場合、LGPの隣にあるUSBポート(⑦に対する⑤、⑧に対する⑥、そして⑦に対する⑧)は常に異なるUSBコントローラーに接続されるよう設計されている。ここもまたASRockのこだわりと言えるだろう。

最後に、まだ検証できてない要素が1つある。それはゲームパッドだ。ゲームパッドはマウスほど高ポーリングレートの製品が存在する訳ではなく、1000Hzの製品でも高速を謳うものが多い。8000Hzのゲームパッドはようやく出てきたばかりで、まだ筆者も入手していない。ゲームパッドにおけるLGPは有効なのか知りたい人は、編集部にレスポンスをいただければ、チャンスがあるかもしれない。

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