- 文●ハッチ
NVIDIAは、同社のアップスケール技術DLSS(Deep Learning Super Sampling)の最新バージョンDLSS 5をリリースし、2Kがパブリッシャーを務めるバスケットゲーム『NBA 2K27』にて、太平洋時間9月3日21時(日本時間 9月4日14時)より、GeForce RTX 50シリーズのGPUおよびノートPC、GeForce NOWにて利用可能になると発表した。
DLSS 5は3Dガイド付きニューラルレンダリングを導入し、AIを活用してリアルタイムグラフィックスをハリウッドレベルのフォトリアリズムに近づけるとしている。以下動画にて、NVIDIAの応用深層学習研究ディレクターであるエドワード・リュー氏と、コンテンツテクノロジー担当ディレクターであるガブリエレ・レオーネ氏が、DLSS 3Dガイドニューラルレンダリングと、そのアーティスティックコントロールの仕組みについて解説している。
また、YouTubeには『NBA 2K27』の開発においてDLSS 5がどう活用されたのかについての動画も公開されている。
NVIDIAはこれまで開発者がリアルな世界を創造するために必要なグラフィック性能を提供してきたが、未だハリウッドレベルのリアリズムは実現できない。ハリウッドのVFXフレームは1フレームのレンダリングに数時間、場合によっては数日かかり、毎秒60フレーム以上をレンダリングする必要があるゲーム開発で、それに近いフォトリアルな表現は難しい。

そのため、この課題への新しいアプローチとして生成AIが注目されたが、従来の拡散モデルは処理が遅く確率的(同じ入力でも毎回異なる結果を出す)であるため、ピクセル単位の一貫性やキャラクターの同一性が求められるゲームには不向きだった。
しかし、DLSS 5は、テキストプロンプトから画像を生成する代わりに、ゲームエンジンが描画した「色ベクトル」と「モーションベクトル」を入力とし、既存のジオメトリ・テクスチャ・ライティング情報を揺るぎない基盤として使用。グラフィックスパイプラインの最終段階として機能し、リアルなライティングとマテリアルの詳細を付加する。

技術的には3つの課題を解決している。
1、決定論的動作:同一入力に対して常に同じ出力を返す
2、時間的安定性:1フレーム入力・1フレーム出力の厳密なモデルで、動きによるちらつきやずれを排除
3、高速処理:GeForce RTX 50シリーズのTensorコアを活用し、単一GPUで最大4K解像度をスムーズに処理


これにより、肌の表面下散乱、髪や葉を通る光の透過、深いコンタクトシャドウ、グローバルイルミネーションなど、よりリアルな質感表現が可能になったとしている。
『NBA 2K27』では、選手の耳を通る自然な光の透過、肌の輝き、髪への光の当たり方などが向上し、実在選手のスキャンによる顔の形状も忠実に再現。ケイド・カニングハム選手やタイリース・ハリバートン選手を例に、表面下散乱によるリアルな温かみのある肌表現やコンタクトシャドウの改善が紹介されている。
また、コートサイドの観客やスタッフも、より豊かな照明効果と素材感になり、自然な皮膚表面の散乱や明確な接触影によって、モデルの画像品質が向上するとしている。
また、『NBA 2K27』ではDLSSの全機能を活用し、4K解像度でウルトラプリセットとレイトレーシングを仕様すると、GeForce RTX 5090ユーザーはDLSS 5で最大370fpsでプレイが可能になる。


一方、2560×1440ドットのWQHDでは、GeForce RTX 5090で最大590fps、GeForce RTX 5080で最大410fps、GeForce RTX 5070 Tiで最大350fps、GeForce RTX 5070で最大260fpsで『NBA 2K27』が遊べるとのこと。

さらに、1920×1080ドットのフルHDでは、ほぼすべてのGeForce RTX 50シリーズを所有するゲーマーがDLSS 5とウルトラプリセットの組み合わせで『NBA 2K27』がレイトレーシングで快適にプレイできると謳う。

DLSS 5を有効にするには、リリース日のGeForce Game Readyドライバーをダウンロードし、ゲーム内のビデオ設定で「DLSSニューラルレンダリング」をオンにする必要がある。また、プレイ中でもF9キーでオン/オフが切り替えられるとしている。

DLSS 5は今年3月の発表当時はデュアル GeForce RTX 5090が必要だったが、わずか6カ月でパイプラインの最適化とモデルの改良により、5倍の性能向上を達成し、全GeForce RTX 50シリーズ単体で利用できるようになった。今秋にはさらなるアップデートも予定され、今後数週間から数ヵ月でさらに多くのタイトルがDLSS 5に対応する予定だとしている。

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