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『Stellar Blade』が高解像度&高画質でも200fps超え!Core Ultra 9&RTX 5070搭載の白ゲーミングノートPC「Lenovo Legion 7i Gen 10」レビュー

文●いちえもん 編集●ハッチ

 「Lenovo Legion 7i Gen 10」は、レノボのゲーミングブランド「Legion」の16インチディスプレイを備えたゲーミングノートPCだ。本機は2025年6月17日に発売された「Lenovo Legion Gen 10」シリーズのモデルで、直販価格は25万7840円からとなっている。

 本機は最新パーツを取り揃えた構成かつ、美しい映像を映し出す有機ELディスプレイ(OLED)を搭載。AIの力でゲームのパフォーマンスを最適にする「Lenovo AI Engine+」に対応、ホワイトカラーのデザインを採用し、細かい設定ができる内蔵ソフトウェアを備えているなどが、主な特徴となっている。

 今回、Lenovo Legion 7i Gen 10の試用機をお借りできたので、使用感やベンチマークの結果などをお届けしたい。ゲーミングノートPCの買い替えを検討している人は、本稿を最後まで読んでほしい。

目次

液晶以上の映像美を体感できる有機ELディスプレー

 Lenovo Legion 7i Gen 10は16インチの有機ELディスプレイを採用。解像度は2560×1600ドットのWQXGAで、アスペクト比は16:10とWQHD(2560×1440ドット)よりも縦長になっている。それにより、エクセルのセル数が縦にやや長く表示できるなど、ビジネス用途において利点がある。

 さらに、1ms未満の応答速度と240Hzのリフレッシュレートという、ゲーマー心を熱くさせる魅力もある。高リフレッシュレート・低遅延・美麗のディスプレイは、FPSや格闘ゲームなどのジャンルで大きなアドバンテージを得られるだろう。

黒色の深みが強くなっているように見える。ちなみにディスプレー上部にある赤外線カメラには、プライバシーシャッター(電子式)が搭載されている

 有機ELディスプレイの強みは、コントラスト比の高さ。明暗のメリハリがはっきりと強調されるため、広く普及されている液晶ディスプレイよりも美しく、没入感あふれる映像美を堪能できる。

 広大な世界を舞台にしたファンタジーRPGを例にすると、色彩豊かなマップの探索や色鮮やかなエフェクトがさく裂するバトルでは、有機ELの真価が遺憾なく発揮されるはずだ。輝度の高さやWQXGAの解像度も相まって、高精細かつ多彩な美しさに息を呑むこと請け合いだ。

グレイシャーホワイトの筐体がとにかく美しい

 Lenovo Legion 7i Gen 10の筐体は、シックとスタイリッシュを兼ね備えたデザインを採用。RGBライティングのギミックも施されていて、ゲーミングノートらしさが際立っている。派手さと質素さの緩急を表現しているように見え、芸術品のような趣がある。

 注目すべきは、「グレイシャーホワイト」と呼ばれるカラーリングだ。ホワイトカラーのゲーミングノートは割と増えてきているが、いざ実物を見ると白色の美しさに魅了されてしまう。本機のグレイシャーホワイトを見て、「汚してなるものか!」という使命感が芽生えるほどだ。

グレイシャーホワイトを基調とした筐体。「LEGION」のロゴが際立っていて、ゲーミングノートらしいカッコよさが増している

静かに内部を冷やしてくれるLegion独自の冷却システム

 底面を見ると、吸気用のメッシュが施されているのがわかる。Lenovo Legion 7i Gen 10はステルスファン・3D銅ヒートパイプ・アルミニウムヒートシンクを統合した冷却システム「ColdFront Hyper」を採用する。底面のメッシュから空気を吸い込み、背面に吐き出すエアフローが構築されているのだ。

 実際にゲームをプレイしてみると、ファンの音が思った以上に静かで驚いた。負荷が重いゲームになるとファンは激しく唸りだすが、ヘッドセットを装着しながらゲームをプレイしていたためか、ファンの音はそこまで気にならなかった。静かに内部をしっかり冷やしてくれるところも魅力的なポイントだ。

底面には、吸気用のメッシュが施されている

テンキー付きフルサイズキーボードを採用

 Lenovo Legion 7i Gen 10のキーボードは、Legionシリーズで採用されている「Legion TrueStrike」だ。複数のキーを同時押ししても正しく認識される100%アンチゴースト機能をはじめ、低遅延のキー入力などが特徴となる。もちろん各キーにはLEDが内蔵され、ゲーミングらしいライティングを楽しめる。

 各キーの打鍵感はとても軽快で、ゲームプレイ時の操作はもちろん、文字入力も快適に感じた。打鍵音は叩き方によってボリュームが変わるものの、連続でタイピングしても強く叩いても騒々しくはなかった。

Legionシリーズのモデルで採用されている「Legion TrueStrikeキーボード」だ。キーボード上部の電源ボタンにもLEDが内蔵され、ライティングの色で現在設定されている「ゲームモード」を視認できるようになっている

 また、フルサイズキーでテンキーも搭載しているため、資料作成で数字を入力する場面など、仕事の用途で役立ちそうだ。

収納しやすい薄さだが、約2kgの重さがやや気になる

 販売ページによれば、Lenovo Legion 7i Gen 10は前世代機よりも約10%薄く、重量は約2kgとなっている。

 過去のLegionシリーズのモデルと比べると、薄型軽量になったように感じられる。カバンに収納しやすい薄さはなかなかに魅力的だが、重量がどうも気になってしまった。

 2kgはずっしりとした重さで、キャベツ2玉(1玉:約1kg前後)に相当する。2玉のキャベツをリュックサックに入れる感覚を想像してほしい。そう考えると決して軽いとは言えない。工夫次第では持ち運べなくはないが、筆者としては自宅での使用が望ましいと考えている。

収納しやすい薄さは評価できるが、ずっしりとした重さはゲーミングノートPCらしいというか、致し方ないと言わざるを得ない

Thunderbolt 4やUSB 3.2 Gen1、HDMIなど、充実のインターフェース

 Lenovo Legion 7i Gen 10のインターフェースは、以下のとおり。本体左側にはUSBポートが、本体右側にはSDカードリーダーやプライバシーシャッターボタンなどが並ぶ。

左側面にある端子は、(左から)USB 3.2 Gen1 Type-A、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen2 Type-C、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
右側面にある端子は、(左から)SDカードリーダー、プライバシーシャッタースイッチ(電子式)、USB 3.2 Gen1 Type-A
背面には(左から)HDMI、電源コネクターがある

 本機のUSB端子はUSB 3.2 Type-AやThunderbolt 4、USB 3.2 Type-Cなどが備わっていて、多種多様な周辺機器へのアクセスがしやすくなっている。そのうえ、Thunderbolt 4およびUSB Type-Cは周辺機器の接続のみならず、給電や映像出力も行なえる。

 また、背面には出力用のHDMI端子があり、ゲーミングディスプレイに繋いで遊ぶことも可能だ。USB端子などを含めると、本機のインターフェースはかなり充実しているように感じられる。まさに”至れり尽くせり”だ。

試用機はCore Ultra 9 275HX&RTX 5070を搭載

 ここからは、Lenovo Legion 7i Gen 10の性能面をチェックしていきたい。試用機のCPUはインテル「Core Ultra 9 275HX」、GPUはNVIDIA「GeForce RTX 5070(8GB GDDR7)」、メモリーは32GB(16×2、DDR5-5600)、ストレージは1TB SSD(M.2、Gen 4)、OSはWindows 11 Proとなっている。

 本機の直販モデルは複数あり、試用機は最上位の位置付けだ。試用機の直販価格は33万440円だが、Windows 11 Pro(+1万1000円)がプリインストールされていたため、実質34万1440円となる。

インテル「Core Ultra 9 275HX」は、24コア(Pコア:8コア/Eコア:16コア)&24スレッド、最大周波数5.4GHzを有するハイエンドノートPC向けのCPUだ
メモリーはDDR5-5600の32GB(16GB×2)
GPUはモバイル向けNVIDIA GeForce RTX 5070。8GBのGDDR7メモリーを搭載しており、フルHD~WQHDがターゲットになっている

 本機に搭載されているストレージは、CrystalDiskInfoで確認したところ、サムスン製の「MZAL81T0HFLB-00BL2」(PCIe 4.0×4)だった。

CrystalDiskInfoの結果

 ストレージの計測ソフト「CrystalDiskMark(9.0.1)」で読み書き速度を検証したところ、シーケンシャルリードは最大6700MB/s、シーケンシャルライトは最大5800MB/sとなっていた。OSの起動やゲームのローディングなどはストレスフリーの速さを実感できるだろう。

CrystalDiskMarkでストレージの読み書き速度を検証

 試用機に搭載されているRTX 5070は8GBメモリー版だが、最新のAAAタイトルからインディーゲームまで幅広く遊べる実力を持っている。しかもメモリーは32GB、ストレージは1TBと、最近のトレンドに則ったパーツのチョイスも魅力的だ。

 では、試用機の実力はどれぐらいなのだろうか? そこで次項からは、各種ベンチマークテストを行い、試用機の実力をチェックしていきたい。

Time SpyやFire Strike、Fire strike Extremeは1万超え!

 それでは、Lenovo Legion 7i Gen 10のゲームパフォーマンスをチェックしてみよう。検証の前に、まずは管理ソフトウェア「Legion Space」の動作モードを調整する。「静音」「バランス」「パフォーマンス」動作モードのプリセットを選ぶと、CPUおよびGPUのブーストが可能となっている。今回は本機の実力を測るべく、性能重視のパフォーマンスに切り替えてみた。

管理ソフトウェア「Legion Space」にて、CPU/GPUのブースト機能を「パフォーマンス」に設定。性能重視の動作モードでベンチマークテストを行う形だ

 最初の検証は、ガチのPCユーザーならご存じのベンチマークソフト「3DMark」。今回は、3Dmarkに含まれているDirectX 12環境下のベンチマークツール「Time Spy」、DirectX 11環境下のベンチマークツール「Fire Strike」、WQHD環境下のベンチマークツール「Fire Strike Extreme」の3種類で検証を行った。その結果は以下の表を確認してほしい。

 3種類とも、結果は1万を超えるスコアを叩き出している。最新のDirectX 12や、ひと昔のDirectX 11の環境においては、試用機のスペックでも快適なゲームプレイが可能ということになる。

FF14はDLSSを駆使すれば最高品質で85fps!

 今度は実ゲームのベンチマークとして、スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」で、実際のゲームでの性能を確認したい。こちらも定番中の定番というべきベンチマークツールだ。

 検証したモードは「最高品質」「高品質(ノートPC)」「標準品質(ノートPC)」の3種類。解像度はいずれも2560×1600ドット、NVIDAのアップスケーリング技術「DLSS」をオンに、ダイナミックレゾリューションを有効にして計測している。60fpsを下回った際にDLSSが有効になるというものだ。

 なお、NVIDIAのドライバーバージョンは「577.00」(2025年7月22日配信)にアップグレード済みだ。

 以上の結果を見てみると、最高品質のスコアは「11936」で評価は「とても快適」。高品質(ノートPC)と標準品質(ノートPC)はどちらも1万6000台で、評価は「非常に快適」。平均フレームレートを見ると、最大は117fps(標準品質)、最低は85fps(最高品質)となっていた。この結果を見る限り、最高設定でも60fps以上で遊べそうだ。

Stellar Bladeはフレーム生成を使えば最大205fps!

 最後の検証は、『Stellar Blade』(PC版)によるフレームレート計測だ。2025年6月に発売された本作は、”叡智すぎる”ヒロインが活躍するハイスピードアクションゲームとして大きな話題を生んだ。直近のAAAタイトルということもあり、検証のネタとして本作を選んだ次第だ。

 ちなみに、LevelUp Logyには本作のゲームレビュー記事が掲載されているので、気になる人はチェックしてほしい。

韓国のSHIFT UPが手がけたアクションゲーム『Stellar Blade』。うーん、叡智ですねぇ……

 検証では解像度はいずれも2560×1600ドット、グラフィックプリセットを「とても高い」に、解像度スケーリングモードを「NVIDIA DLSS 4」、DLSS 4のモードを「クオリティ」に設定してある。フレームレート計測では、フレーム生成をオンにした状態で「4X(4倍)」「3X(3倍)」「2X(2倍)」の3種類とフレーム生成オフ、ネイティブの計5種類をチェック。

 本機に搭載されているRTX 50シリーズのGPUは「マルチフレーム生成」に対応。従来(RTX 40シリーズ)よりも多くの中間フレームを生成できるようになった。そのため、4倍、3倍、2倍といった表記になっているわけだ。

『Stellar Blade』の設定画面。最高設定の状態で検証している

© 2025 SHIFT UP Corporation. All rights reserved. Published by Sony Interactive Entertainment Inc.

 専用ソフト「CapFrameX」を使い、本作のマップ「エイドス7」を一定時間歩いた際のフレームレートを計測している。フレームレートの結果は平均fpsと最小fps(1% Low Avarage)の2種類で表していて、その結果が以下の表だ。

 DLSSおよびフレーム生成を適用していないネイティブは、平均fpsが80fps、最小fpsが66fps。DLSSのみは平均fpsが101fps、最小fpsが84fpsとネイティブよりもわずかに向上している。全体的に60fpsを下回っていないため、最高設定のままでも滑らかなゲームプレイができるだろう。

 マルチフレーム生成を適用した状態の結果を見ると、「フレーム生成4倍」の平均fpsは205fps。続く3倍と2倍は、平均・最小ともに3ケタ台をキープしていた。本機の240Hzリフレッシュレートを最大限活用できると言っても過言ではないだろう。最近のトレンドであるフレーム生成の強さがよくわかる検証結果であった。

まとめ:ビジュアルも性能もグッドなホワイトモデル

 Lenovo Legion 7i Gen 10は、最新ゲームも快適に遊べるスペックに加え、オシャレが強調されたグレイシャーホワイトの筐体、25万円台からの価格で購入できる手軽さが魅力だ。

 今回触れた試用機は、Core Ultra 9 275HX&RTX 5070を搭載するモデル。前者はハイパフォーマンス向けCPUで、後者はフルHD~WQHDの解像度に適したGPUだ。本機の解像度は2560×1600ドットのため、今回試したCPUとGPUは申し分ない組み合わせと言えるだろう。 そんなLenovo Legion 7i Gen 10は、これからPCゲームを始めたい人や、ゲーミングノートPCを新しく買い替えたい人を魅了する一台だった。

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