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フィギュア展示スペース搭載ピラーレスケース、LIAN LI「Vector V100」は映えるPC自作向き

文●ハッチ

 LIAN LIが2025年7月4日に発売した「Vector V100」は、フロントとサイドパネルに4mm厚の強化ガラスを採用したピラーレスケースだ。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2種類で、実売価格はブラックが8300円前後、ホワイトカラーが1万円前後となっている。

カラバリはブラックとホワイトの2色

 今回ブラックカラーのケースをお借りする機会を得たので、どういった製品なのか特徴をチェックしつつ、実際にPCパーツを組みこんで使い勝手も確認してみた。

目次

背面コネクター搭載マザーボードにも対応

 「Vector V100」は幅246mmまでのE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITXに対応。ASUSのBTF(Back-To-the-Future)やMSIのPROJECT ZEROシリーズなどの背面コネクターのATX&MicroATXマザーボードもサポートしている。

 マザーボードのサイドスペースに120mm×3、トップに120mm×3または140mm×2、リアに120mmまたは140mm×1、ボトムに120mm×2のファンを搭載可能。対応ラジエーターは280mmまたは360mmとなっていてトップに接続できる仕様となっている。

  フロントには強化ガラスパネルの下にメーカーロゴが記されたシンプルなデザイン。

RGBファンを追加すると、より映えるPCも組める!

 標準でマザーボードのサイド、リア、ボトムにはファンが搭載していないため、より冷却性やRGBファンによるライティングで光らせたい場合は、対応のファンを追加で購入する必要がある。

ケースファンと360mmラジエーターのCPUクーラーを使ったイメージ。すべてをライティング搭載パーツにすると、かなり映えるPCが組める

フロントインターフェースに高速なUSB 3.1 Type-Cも搭載

 フロントインターフェースは左側面の手前側にあり、USB 3.1 Type-C×1と、USB 3.0 Type-A×2のほか、オーディオポートにリセットボタン、電源ボタンを備える。机の下にあると屈まないとアクセスできないためやや使いづらいが、机の上に置いた場合は、座ったままアクセスできるメリットがある。

 ピラーレスケースは、フロントと左サイドが強化ガラスまたは透明なプラスチック製で、その間の支柱(ピラー)がなく一体化した構造をいう。最近はフロントと左サイドの間に継ぎ目なく、カーブを描いて一体化しているものや、左側面と天面がガラス面になっている製品もあるが、「Vector V100」は従来どおりの一般的な構造だ。

 下部には電源ユニットを収めるシュラウドがあり、熱源を分けられるほか、シュラウドの上部にはパンチ穴が無数に開いているため、エアフロ―が下にも抜けるようになっていて、効率よくPC内部が冷却されるようになっている。

 一方で、右側面はマザーボードサイドのファン搭載スペースの裏側が全面メッシュパネルになっており、外からの空気を取り込めるようになっている。

420mmの大型ビデオカードにも対応、GPUサポートステイも付属

 内部スペースは広く、ボード長420mmまでのビデオカードまで搭載できる。Vector V100には、そうした大型の重量級ビデオカードを支えるためのGPUサポートステイ「GB001」が付属し、ビデオカードのたわみを防止し、安定性を確保できる。

フィギュア展示スペースも備える

 最大の特長はフロント右下のカバーを取り外してできるフィギュア展示空間を備える点。フィギュアを置けるケースというとCOUGARのFV270シリーズもあるが、あちらはオプションの回転台を別途購入する必要があり、即売り切れ状態で入手性が悪かった。

 一方で、本製品はFV270のようなLED搭載で回転するようなリッチなものではないが、専用スペースが最初からあり、フィギュアが手間なく飾れる手軽さがある。ただ、そのスペースは真四角ではなく、奥にいくほど細くなる台形で、手前が約11,8cmで一番奥が5.8cmとほぼ半分とやや狭い。

フィギュア展示スペースは、1本のネジで固定された蓋を取ると使用できるようになる
中央付近は約7cm、さらに奥は5.8mmほどと狭い
手前は約11.8mm

 また、マザーボードの横にケースファンを取り付けると、そのファンに接触する可能性があるため、手を横に広げていたりするポージングのフィギュアも置き辛い。ねんどろいどなら余裕だが、背の高いフィギュアや144分の1のガンプラなどは、モノによるといったところだ。

実際に千年戦争アイギスのシビラのねんどろいどを置いたところ。ねんどろいどなら余裕で置ける

©DMM GAMES

一方で台座が大きいとはみ出してしまうので、サイズは事前に確認しておきたい

パネルはツールレスで着脱可能

 では、実際にPCパーツを組み入れてその使い勝手を確認したい。今回の構成は以下のとおり。ケースファンは追加していないので、やや物足りなさを感じるが、その点はご了承頂きたい。

マザーボードはASUSの「TUF GAMING X870-PLUS WIFI」をお借りした。ミリタリー超のデザインで、ブラックなケースとの相性も良い。無骨なヒートシンクがVector V100とのデザインにもマッチしていた
ビデオカードはASUSから「PRIME GeForce RTX 5070 12GB GDDR7」からお借りした。ファンにはRGBらいてぃぐを備えないモデルで、モダンでスタイリッシュな落ち着いてデザインが日本人の好みにマッチしている。GeForce RTX 5070はVRAMが12GBだが、競合よりも高速なGDDR7を採用しているため、そのアドバンテージは強み
電源ユニットはFSPのVITA GM 1000Wを使用。ATX 3.1&PCIe 5.1に対応し、1000Wと最近のハイエンドな最新GeForceにも対応する仕様。FSPの中では角に丸みもあるモダンなデザインで、割といろんなケースとマッチする

 PCケースの多くは、小さい紙の箱にチャック付きの小さい袋にネジやオプションパーツが収まっていたり、そのままチャック付きの袋のみがビニールタイで取り付けられていることが多い。しかしながら、最近のLIAN LIのケースには仕切り付きのプラスチック収納ケースがあり、そのまま棚に仕舞っておけるので地味にうれしい。

 「Vector V100」は同価格帯のPCケースの及第点の組み易さを有している。サイドパネルやトップパネルはピンを穴にハメこんで止めるカシメ構造により、ツールレスで着脱可能。そのため、ネジを使う作業がより少なく済みラクに組める。

トップのパネルは、背面に突起があり、ここに指を掛ければラクに取り外せる

 電源ユニットは最近流行りの底面のシュラウドに隠されているため、上部はスペースに余裕があり、大きなCPUクーラーのラジエーターの取り付けもラクに行なえる。

 電源ユニットは一般的なものと同じで背面からネジ止めする形。

フロント端子は一体型で接続がラク

 ケースに最初から接続されているケーブルには、USB 3.1とUSB 3.0と、HD Audioがあるほか、後述する内蔵のLEDストリップ用の3ピン、フロントコネクター用の端子がある。フロントコネクターの端子は、バラバラに分かれている場合もあるが一体型のため挿し易くてラクチン。

ケーブル管理システムも充実し、裏配線もラクチン

 電源ユニットなどを収める2次チャンバーの上には、ケーブルを管理できるクリップやケーブルタイが用意されている。これにより、別途結束バンドなどを追加しなくても、ある程度裏配線を綺麗にできる。

1にはケーブルタイが3つ用意され、主要なケーブルをまとめられる。2ではCPU用の24ピンケーブルなどを挟んで固定し、3から出して接続できる
実際位に裏配線した様子。余ったケーブルは電源ユニットの横にあるチャンバーのスペースに押し込んでおけばOK

ライザーケーブルで魅せ方を変えるのもアリ

 今回、追加でAntec「SHIFT Black」を借りて、ビデオカードのファンを正面に向けてみた。借りれたビデオカードがLEDファン非搭載の「PRIME GeForce RTX 5070 12GB GDDR7」だったため、そのデザイン性を魅せるだけになったが、LEDファン搭載のビデオカードであれば、ケースファンを盛りだくさんに接続すると、より内部のライティングが派手になるので、そうしたPCを組みたい人にもオススメだ。

追加で使用したAntec SHIFT
ライザーケーブルでマザーボードとビデオカードは接続する
台座にビデオカードを取り付ければ完成だ

ピラーレスケースのガラスはガラスクリーナーで綺麗に

 ピラーレスケースのガラスパネルは、組み立てている際に指紋が付き、それをおそうじシートなどで拭きとっても拭き後が残った、などと悩んだ人もいるだろう。そうした場合は、ガラスクリーナーを使うと綺麗に拭き取れる。筆者もどのガラスクリーナーが良いかなどは検証しきれていないが、近くのスーパーで購入したマジックリンを使用した。

 ガラスクリーナーをガラスパネルに吹き付け、不織布なければ100均でも売っているマイクロファイバー雑巾などで拭き、その後素早くマイクロファイバークロスなどで拭き取ると綺麗になる。

PC組み立てた後のガラスパネル。端の方に指の跡などが残っている
ガラスクリーナーを吹き付けて、マイクロファイバーの雑巾などで拭く
最後に乾いたマイクロファイバークロスなどで拭き取る
綺麗になったら、できれば静電気手袋などをして、再度指紋などが付かないようにしてからパネルを元に戻す

お気に入りのフィギュアも飾れる魅せるPCが作れる!

 完成したPCは以下のとおり。今回はケースファンを追加していないが、それでも簡易水冷のラジエーターのライティングと、ポンプヘッドのシステム情報などもあり、なかなかに映えるPCに仕上がった。Antec SHIFTでビデオカードのファンの向きを正面に持ってきているが、LEDライティングがなくてもスタイリッシュなPRIMEシリーズのデザインもマッチして、割とオシャレだ。

ケースファンがなくても、内臓するLEDストリップのアクセントでおしゃれ感がある

LEDストリップを内蔵し、フィギュアも映えるPCが組める

 LIAN LI「Vector V100」はあまり見ないフィギュアを置けるスペースが用意されたミドルタワーのピラーレスケース。26個のLEDを搭載したARGBストリップを標準で内蔵し、ケース内部を魅せるPCが組める。ケースファンもマザーボードサイドとリア、ボトム、トップも使えば最大8基搭載でき、そのファンもLEDライティング搭載製品にすれば、かなりド派手なPCにもなる。

暗い場所だと、標準のLEDストリップだけでも、かなり内部を色鮮やかに光らせている
フィギュアも映える

©DMM GAMES

 トップはスリットが大きく空気が抜けやすいパネルになっているほか、マザーボードサイドはメッシュ素材になっていて、大量の空気を取り込めるなど、エアフローも高め。

 最近は当たり前のようになっている電源ユニットを隠せるシュラウドもあるほか、背面コネクターに対応したマザーボードも使用でき、ケーブルをできるだけ隠して、すっきりとしたPCが組める。価格もブラックも1万円以下と機能の割に決して高くなく、手ごろなのも◎。

 お気に入りのフィギュアを飾って、デスクトップはそのお気に入りキャラクターの壁紙などにして、自分好みのPC環境を構築したい人には、オススメな製品だ。

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