- 文●いちえもん 編集●ハッチ

『Gothic 1 Remake』は、THQ Nordicが販売、Alkimia Interactiveが開発したオープンワールドアクションRPGだ。6月5日から販売中で、対応プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)。
本作は、2001年に発売されたオープンワールドアクションRPG『Gothic 1』の完全リメイク作品(開発:Piranha Bytes)。原作のシビアなゲーム性はそのままに、グラフィックや操作性などを現代的に再構築したものだ。脱出不可能な魔法の結界に閉じ込められた鉱山を舞台に、名もなき囚人が変革をもたらす物語を体験できる。
今回、『Gothic 1 Remake』のレビューコード(Steam)を受領したので、プレイレビューをお届けしたい。
主人公は勇者ではなく、力を持たないただの囚人
『Gothic 1 Remake』の舞台は、囚人たちが支配するコリニス鉱山。鉱山は魔法の結界に覆われており、「侵入はできるものの脱出はできない」という流刑地と化していた。
冒頭の流れをおおまかに説明すると「オークの大群に対処すべく、王国は魔法の鉱石で強力な武器を製造しようとする」→「囚人をコリニス鉱山へ派遣し、強制労働の名目で魔法の鉱石を採取させる」→「囚人が脱走しないよう、鉱山全体に魔法の結界を張ろうとする」→「事故が発生し、魔術師もろとも魔法の結界に閉じ込められてしまう」→「囚人たちが鉱山を占領」→「囚人と王国の間で、鉱石と資源を交換する取引が結ばれる」といった具合だ。
そんな状況の最中、主人公は囚人としてコリニス鉱山へと送り込まれる。「炎の魔術師のリーダーに手紙を渡す」という任務を達成するために。


プレイヤーは使命を託された囚人となって、主義思想が異なる派閥と出会ったり、モンスターと戦ったりしながら、世界の未来ならびに主人公の運命を変える選択をすることになる。


本作の主人公は囚人だが、”ごく普通”の一般人である。オープンワールドアクションRPGのモブと同レベルと思ってもらいたい。開始時の戦闘能力はゼロに等しいため、RPGに出てきそうなザコ敵に瞬殺されることもしばしば。それぐらい、本作の主人公は圧倒的に弱すぎるのだ。



初見のプレイヤーは主人公の貧弱ぶりに驚くにちがいない。そしてこう思うはずだ。「こんな主人公で大丈夫なのだろうか? なんか不安なんですけど」と。
だが、過酷な世界に放り込まれた主人公がだんだん強くなっていく過程を楽しむことこそ、『Gothic 1』の醍醐味。成長するまで時間がかかるものの、レベルがアップするたびに少しずつ面白くなってくる。主人公の成長を辛抱強く楽しめるかどうかが試されるだろう。
『Gothic 1』の世界、ハードコアすぎない……?
『Gothic 1 Remake』で特筆すべきは、心が折れるほどのハードコアな要素だ。ハードコアは原作準拠で、リメイクとはいえ本来の持ち味を余すことなく体験できるようになっている。過酷さを求める人(原作経験者も含む)は面白いと感じるかもしれないが、快適さを求める人は不便を感じてしまうかもしれない。

本作がハードコアである理由は先述した主人公の弱さに加え、ヒントが不明瞭であることも関係している。
昨今のオープンワールドゲームは親切なものがほとんど(一部例外もあるが)。効率よく進められるよう、クエスト進行時にヒントやマーカーが表示されることが多い。だが、本作のヒントは少ないうえに、目的地を示すマーカーも表示されない。何もわからないままプレイを強いられるのだ。必要な情報を得られない不便さが、過酷な状況を生み出す源と言っていい。


主人公の弱さやヒントの少なさのほかに、主人公の成長スピードが遅い、敵が強すぎる、お金稼ぎが難しいなども理由として挙げられる。これまでのRPGがぬるま湯だとすれば、本作は熱湯そのものだ。そう例えてしまうぐらい、本作は難しいと感じた。ソウルライクと似て非なる難しさといえば良いだろう。
本作はヒントが少ないぶん、挫折するポイントが多い。そのため、人の好き嫌いがはっきり分かれるのではないかと筆者は考えている。本作を初めてプレイする人は、ファンタジー世界を生きることの難しさを思い知ることになるだろう。逆に「過酷だけど面白い!」と思った人は、とことんハマるはずだ。





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