エレコム、ラピッドトリガー対応&75%サイズのゲーミングキーボード「VK720A」を発表

文●ハッチ

 エレコムは、ハイクラス・ゲーミングデバイス「ELECOM GAMING V custom」シリーズより、プロゲーマーの意見を取り入れ、静音性を向上させ、入力スピードを追求した有線接続のゲーミングキーボード「V custom VK720A」(VK720A)を6月下旬に発売すると発表した。5月25日(土)12時よりエレコムダイレクトショップにて予約販売を開始する。市場想定売価は3万2980円(税込)。

 同社はゲームプレイ時において、ゲーミングキーボードは打鍵感や自分に合うサイズ、文字の配列などがプロゲーマーに求められる傾向にあり、VK720Aはそうしたプロゲーマーの意見を反映させているという。

 そのため、VK720Aには今までの「ELECOM GAMING V custom」シリーズになかったUS(英語)配列版も用意されている。カラーリングはブラックとホワイトの2種類。

カラバリは2種類で、それぞれUS配列とJIS配列が用意されている

 今回、エレコム様より事前に「V custom VK720A US配列 ホワイト」を貸して頂いたので、実際にどんな特徴があるのかをレビューしていきたい。

静音磁気スイッチを採用した柔らかいキータッチ

 VK720Aは同社が2023年9月19日に発売した「VK600Aシリーズ」で搭載した磁気式アナログ検知スイッチ(磁気スイッチ)に改良を加えた、静音仕様の磁気スイッチを備える。そのうえで、キーボードの内部にシリコンラバーを2枚挟み、振動を仰制する。

 カチカチと音の鳴るメカニカルスイッチと異なり、スッと軽く押下できる印象。前モデルのVK600Aでは、押下厚が30~60gだったところ、30~50gになるようスプリグ調整しているようなので、やや前モデルよりも軽いのは間違いない。

キーピッチは実測で1.9mmで、キーストロークは4mmくらいと、フルサイズキーボードしては一般的

 ケーブルはUSB C-Aで、キーボード側のUSB Type-Cポートに接続し、PC側のUSB Type-Aに接続する。背面右側にはUSB Type-Aポートを備えるが、これはハブ機能のための入力ポートで、ケーブルを逆にしてPCと接続しても認識されない。

背面にはUSB Type-Cポートと、USB Type-Aポートを1つずつ備える
USB Type-AにはマウスやUSBメモリーなどを接続したりができる

 また、本体の右上にはプログラマブルダイヤルを搭載し、さまざまなキーが割り当てられる。デフォルトでは音量調整ができ、押し込むとミュートになる。

プログラマブルダイヤルは1メモリずつカタカタと移動している感触があり、少しずつ音量を調整することが、手元を見ずとも行える

 底面には5ヵ所のゴム脚があり、スタンドは2つ折りたたまれているため、完全に折りたたんだのを入れれば3段階で高さ調整ができる。

底面
スタンドでの高さ調整は3段階
最も高くして横から見た写真。15度くらい傾斜が付き、文字入力がし易くなる、と感じる人もいるだろう。自分の好みに合わせて調整したい

 また、本機はスペースバーがロングとショートの2種類あり、取り換えることが可能。ショートにはスペースバーの横にカスタマイズキーが1つ追加され、後述する同社独自のゲーミングマウス、キーボード専用ソフト「EG Tool」にて任意の機能を設定できる。ただし、このショートのスペースバーはUS配列と、JIS配列では以下のように付属のキーが異なる。

US配列:「ロングスペースバー」もしくは「カスタマイズキー+ショートスペースバー」

JIS配列:「ロングスペースバー」もしくは「無変換キー+ショートスペースバー」

PCと接続するケーブルと、取り換え用のスペースバー
ケーブルは柔らかく、絡まり辛い編み込み式
ショートのスペースバー横にあるカスタムキーには「C」の文字が
別途カスタムキーの替えとなる「ELECOM GAMING V custom」のロゴが記載されたキーキャップも付属する
公式画像を見る限り、他にもキーキャップリムーバーや、ブランドシール、スペースバーを取り外す際にネジを取る必要があるため、ドライバーも付属するようだ

 キーキャップはステムの十字にはめ込むタイプで、上にまっすぐ引き上げれば、簡単に取り外せる。スペースバーは4ヵ所のネジを外すと、取り外せる。

スペースバーを取り外したところ
スペースバーを変更すると、カスタマイズキーが1つ増える
EG Toolで設定を変更

 VK720Aはセンサーの有効範囲を変更し、キーの反応範囲を変えられる「ラピッドトリガー」に対応する。そうした機能や、ライティング、キーのカスタマイズは、同社の「EG Tool」にて行う。

カスタマイズキーには任意の機能を持たせられる。マウスのボタンに対応した機能も設定可能

 ゲーミングモードでは、「Windowsキーを無効化」や「E/J(半角全角)を無効化」など、ゲームプレイ中には使わないキーをどこまで無効化できるかが設定できる。

ゲーミングモードの設定

 他にもFnキーと同時押しで機能を追加したり、ライティングの設定、プロファイルの追加が行なえる。プロファイルはいくつも追加できるが、ボタンで切り替えられるのは3つまで。

Fnキーと同時押しする各キーには、機能を追加できる。デフォルトではプロファイルの切り替えやメディアの再生、早送り、早戻しなどが設定されている
プロファイルはいくつも追加でき、キーで切り替えられる3つのプロファイルと入れ替えられる
1,677万色のRGBライティング機能を搭載

 VK720Aは全てのキーに1,677万色のRGBライティング機能を搭載する。EG Toolでの設定はキーボード内に保存されるので、EG ToolをインストールしていないPCでも設定した同じライティングで使用できる。

ライティングはウェーブやドリフト、点滅などさまざま
ライティングの速度設定はスライドになっているが無段階ではなく、4段階で設定できる
指定エリアのみをライトアップできる。ドラッグでもエリア指定が可能
たとえば、移動によく使うWASDだけを光らせられる

 各キーはいろんな色で光らせられる。フレームレスなので、横からも光が漏れ暗い場所でも映える。

ラピッドトリガーで入力スピードを追求

 VK720AはEG Toolで0.1~3.8mmの範囲で、入力を有効とする「アクチュエーションポイント」と入力を無効とする「リセットポイント」が変更できる。ラピッドトリガーは近年FPSプレイヤーを中心に注目を集め、対応製品が増えている。

 競合製品の中には、4段階など決まった数値でしか「アクチュエーションポイント」と「リセットポイント」が設定できないものもあるが、本機では指定できる範囲内なら0.1mm単位で設定できる。

EG Toolではデフォルトが1.0mmで、0.1~3.8mmの範囲で設定可能。適用ボタンなどもなく、数値を入れるだけで自動的に記録される

 一般的なキーボードは、ある1点まで押し込むと入力が判定され、ある1点まで戻すと入力が離れた判定になり、その深さは変更できない。一方で、ラピッドトリガーであれば、入力判定を好きな位置に設定できる。

 キー入力がミり単位で短くもでき、競技性の高いゲームでは有効になる。たとえば、「アクチュエーションポイント」と「リセットポイント」の位置が離れている場合、キャラクターを移動させると入力時間が離れるまでの時間が長い分、1回キーを押した際のキャラクターの移動距離は長くなる。

 一方で、VK720Aで「アクチュエーションポイント」と「リセットポイント」をいずれも0.1mmに設定すれば、キャラクターの移動距離が短くなり、より細かい移動距離の微調整が可能になる。

 試しに『Apex Legends』をプレイしてみたところ、01mmに設定では軽くタッチするように押下するだけで反応し、細かな移動が行なえた。逆に3.8mmに設定すると、キーを半分以上押し込んだ時に反応した。こうした反応するポイントを自分好みに設定できる点が、競技性の高いゲームのプレイに大きな影響が生まれるのだろう。

先行予約割引キャンペーンを実施

 エレコムはVK720Aの発売に先立ち5月25日(土)12時より、各エレコムダイレクトショップにって予約販売を開始する。通常時の価格が3万2980円のところ、予約販売では2万9980円になる。キャンペーン期間は2024年5月25日(土)12時~2024年6月25日(火)11時59分までとなっている。

ラピッドトリガーに対応した静音性の高いゲーミングキーボード

 VK720AはFPSユーザーなどに人気のあるラピッドトリガーに対応し、さらに独自の静音仕様にした磁気スイッチを採用したゲーミングキーボード。RGBライティング機能も備え、シンプルながら利便性の高いプログラマブルダイヤルを搭載し、有線のゲーミングキーボードとしては申し分ない。

 価格は搭載された機能を考えれば妥当なところ。スペースバーが取り換えられて、カスタムキーを1つ追加できるユニークな機能も備えながら、テンキーレスの75%サイズでいながら、フルサイズのキーピッチで普段使いも問題ない。

 今回お借りしたのはUS配列だが、グローバルメーカーでは用意されないこともある、JIS配列もきちんと用意されている点も国内メーカーならでは。慣れ親しんだJIS配列でという人も安心だ。

 ブラックとホワイトの2種類あるので、自分のPC環境に合わせて揃えられるのも◎。新たなラピッドトリガー対応キーボードを探していた人は、購入を検討してみてもいいのではないだろうか。

【製品情報】
■US配列
<V custom VK720A US配列 ブラック>
型番:TK-VK720ABK-EN
価格:3万2980円(予定売価・税込)
URL:https://www.elecom.co.jp/products/TK-VK720ABK-EN.html

<V custom VK720A US配列 ホワイト>
型番:TK-VK720AWH-EN
価格:3万2980円(予定売価・税込)
URL:https://www.elecom.co.jp/products/TK-VK720AWH-EN.html

■JIS配列
<V custom VK720A JIS配列 ブラック>
型番:TK-VK720ABK
価格:3万2980円(予定売価・税込)
URL:https://www.elecom.co.jp/products/TK-VK720ABK.html

<V custom VK720A JIS配列 ホワイト>
型番:TK-VK720AWH
価格:3万2980円(予定売価・税込)
URL:https://www.elecom.co.jp/products/TK-VK720AWH.html

【購入ページ】
■US配列
<TK-VK720ABK-EN ブラック>
エレコムダイレクトショップ(本店):
https://shop.elecom.co.jp/item/4549550316583.html

<TK-VK720AWH-EN ホワイト>
エレコムダイレクトショップ(本店):
https://shop.elecom.co.jp/item/4549550316620.html

<TK-VK720ABK ブラック>
エレコムダイレクトショップ(本店):
https://shop.elecom.co.jp/item/4549550316576.html

<TK-VK720AWH ホワイト>
エレコムダイレクトショップ(本店):
https://shop.elecom.co.jp/item/4549550316613.html

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