- 文●ハッチ
ポイントは玄人志向の“継承”
編集部:リブランドの方向性については、どういった意見があったのでしょうか。
黒川:私が担当として伝えたかったのは、「玄人志向」のベースは残したい。玄人志向をなくすのではなく、“継承”していくという形で進めてきました。
三谷:ポイントとしては“継承”なんです。良いところは全部残す。そこに今回はブランドストーリーを追加するイメージです。
黒川:玄人志向はこのメーカーだったら「安定だよね」、どこか知らないメーカー買うなら、玄人志向で良いよね、というのが長年続いてきた実績に裏打ちされた選定基準だったと思います。その品質管理、コストとパフォーマンスのバランス、積み重ねてきたお客様からの信頼、そうした部分をちゃんと継承していきましょう、というところが軸になっています。

三谷:基本的には品質を落とすようなことはないですし、今までの基準でいきます。結構やばいものも多くて、これはダメだろうというラインはしっかりやっているんです。これはいいんじゃないの?と思っていても、サングラス男がダメだっていうのも結構あるんですよ、本当に(笑)
編集部:では、玄人志向の持っているものは残しつつ、新しいことにもチャレンジしていくのでしょうか?
黒川:そうですね、玄人志向としての基本は変えることはありません。玄人志向といえば、グラフィックボード、電源ユニットが軸としてあると思うのですが、それ以外のものもCrowxisとして足していく。ただ、もともとは製品で勝負していたところはあるのですが、ユーザーの目的はパソコンでゲームをするなど、何か目的がありますよね。そのため、この製品は何に使えるのかを、もう少し分かりやすく伝えていける製品にしていきたいと思っています。
編集部:ユーザーターゲットは、玄人志向の時と同じなのか、リブランドに伴って変えていくのでしょうか?
黒川:先ほどの話にもあるように玄人志向から受け継ぐものを表現すれば、今までのファンはおのずと振り向いてくれるかなと思っています。しかしながら、新しい人たちを入れていかないと、縮小していってしまうので、若年層の考えも聞いて、彼らに合ったものも出していきたいなと考えています。
導きと正しい選択に必要な、ぶれない“軸”が名称の由来
編集部:どういった流れでCrowxisという名称に決まったのでしょうか?

黒川:Crowxisは、Crow(クロウ)とAxis(アクシス)の2つの単語を組み合わせた造語です。玄人志向は「クロシコ」という愛称で親しまれていたので、その語感から連想できる口なじみのある言葉にしたい、という思いがあったので、玄人志向の「クロウ」という言葉を使うことが、まず決まりました。
では、クロウからどういう言葉にできるか、と考えて今回は八咫烏(ヤタガラス)=クロウを選びました。それ以外にも爪であるクロウなど、いくつか案はありました。しかし、今回のリブランドでは、しっかりと玄人志向を継承しながらも、新しい人たちに対してもアプローチして導く存在であるべきだと思っていたので、神武天皇を導いたとされる神話の鳥であるヤタガラスという案に落ち着きました。
また、皆さんがどういうふうに判断されるのか、我々がどう伝えていくかということを、後ろの言葉に持ってきているのですが、皆が選ぶ“軸”、我々が製品を選ぶ“軸”ということを、きちんと持とうということで、Axisに決めました。

編集部:ロゴが発表されたときにSNSで、某ロボットアニメのロゴにも似ているなどの反応もありましたが、迷いなどはありませんでしたか?
黒川:似ているからやめよう、ということはなかったですね。
編集部:そんなこと言い出したらキリないですものね(笑)
黒川:日本代表は勝利の象徴としてのヤタガラスだと思うのですが、今回は導きの象徴として採用しています。我々は25年培ってきた知恵とぶれない“軸”があり、新しい人にその軸を持ってもらうための判断材料を、我々が提供できるのかなと。誤情報などもいっぱいあるなかで、自分に合ったもの、自分が納得できるものを正しい情報で導いて、選んでもらいたい。そういう意味でもヤタガラスというのは、外せない存在だったのかな、と思っています。
玄人志向でやってきた製品は全部出していく
編集部:Crowxisブランドで今後販売していく製品は、玄人志向と同じジャンル、もしくは新たなジャンルにチャレンジするといったことはあるのでしょうか?
黒川:グラフィックボード、電源ユニット、あとはゲーミング用のメモリーを予定しています。



三谷:メモリーは今までCFD販売のブランドとして出していましたが、ゲーミングの部分だけ切り離してCrowxisブランドで販売します。これで、もし売り上げが良ければ、ゲーミング以外のメモリーもCrowxisで、と考えるかもしれませんが、現状は慎重に進めたいと思っています。
また、もしかしたらCrowxis×●●といったような、相手側のブランドとのダブルネームでのコラボが増えるかもしれません。

編集部:コラボを増やすのは、若年層のファンを増やす狙いもあるのでしょうか?
黒川:正体の分からないものを使うというのは、ユーザーにとって不安になると思います。しかし、何かを評価しているため、コラボを組みますといった理由を明確にすることで、ユーザーにメリットを分かりやすく伝わると思うので、ダブルネームでのコラボレーションをやっていこうかなと思っています。
今までやっていなかった製品を先に出すということは考えていなくて、玄人志向でやっていたものをきちんと全部出していくということを、まずは始めていきます。そうでないと、“継承”という言葉の意味がなくなってしまうかなと思っています。
三谷:ただし、しれっと型だけ変えるというのは極力避け、プラスワン何かを加えられないかというのを、今必死に模索しています。そのため、スケジュール的には、割とのんびりやるといった感じですね。すぐにバンバン変えるわけではなく、玄人志向もしばらく続けて、徐々にいろんなものを変えていこうと考えています。

コメント
コメント一覧 (1件)
玄人志向の良さをちゃんと継承しつつ、名前を変えて初心者にも寄り添う決断、本当にかっこいいです!
「導き」と「軸」という想いがCrowxisに込められてるのが伝わってきて、Crowxisが良いと思えるこれからの製品が楽しみで仕方ありません。
応援してます!