- 文●いちえもん 編集●ハッチ
戦えなくもないゲーム性が肝! 逃げるか隠れるのが吉、戦いはほどほどに
SILENT HILLシリーズの魅力として、「敵との戦闘」も挙げられる。過去作では銃器や鈍器で敵と戦う場面が多かった(一部例外もある)が、SILENT HILL: Townfallはステルス(隠れる)の比重が大きいゲームだ。足音を立てずに移動する、物陰に隠れてやり過ごす、見つかったら逃げるなど、ステルスゲームらしい行動が求められる。

敵の行動パターンはわかりやすいものの、チャプターを進めるにつれて敵の数が増えたり、即死必至の敵が登場したりと、ステルスの難易度がどんどん増していく。チェックポイントが少ないことも相まって、人によっては理不尽に感じるかもしれない。苛立ちを覚える瞬間が何度も発生するので、覚悟を持って本作に挑んでほしい(ゲームオーバーに耐えられる忍耐力も)。



数々の困難を乗り切るには、目視だけでなく、敵の動きを確認できる補助アイテムの併用も不可欠だ。サイモンの場合、「CRTV(ポケットテレビ)」で敵の場所や巡回パターンをチェックし、隙を見て行動するのが基本の動きとなる。もうひとりの主人公であるゾーイはCRTVの代わりに「ポケベル」を所有していて、画面枠に表示される「黒点」で敵の位置を確認するといった具合だ。
他のステルスゲームにありがちな「周辺にいる敵を一時的にハイライト表示する」「背後に忍び寄ってステルスキル」などの特殊能力はなく、デバイスの力と目視だけで難所を乗り切らねばならない。「戦闘経験も超能力もない一般人」というコンセプトを忠実に再現している証しと言えるだろう。


また、身を守るための武器と、敵を誘導させるための投擲アイテムも存在する。前者は角材、鉄パイプ、拳銃、ショットガン、フレアガンで、後者は空き瓶とレンガ。ただし武器は便利である一方、欠点も存在する。たとえば、銃器は発砲音で敵を呼び寄せてしまう、近接武器は使えば使うほど耐久値が減り、ゼロになると壊れてしまうなどが挙げられる。



「武器があるならガンガン戦ってもよいのでは?」と思う人もいるに違いないが、筆者個人としてはステルスを推奨したい。なぜなら、主人公があまりにも弱すぎるからだ。雑魚敵であっても、数回の攻撃を食らったらあっけなく死んでしまう。過去作の主人公が強すぎたことを改めて思い知った。
基本的には隠れることを優先し、万が一見つかったら逃げるか、武器で対処するプレイスタイルが理想かもしれない。「戦えなくもない」の塩梅が本作の緊張感をもたらす秘訣と言ってもいいだろう。


はっきり言って、ステルスゲームは好き嫌いが分かれやすいジャンルだ。なかでも、主人公の戦闘スキルが低いタイプはステルスの難易度が高く、好き嫌いがはっきり出てしまうこと請け合いだ。
本作は、まさに主人公の戦闘スキルが低いステルスゲームのひとつに数えてもいいだろう。そのため、戦闘重視の「SILENT HILL」シリーズに慣れている人、ステルスゲームが苦手な人は、本作に対して否定的な感情を抱いてしまうかもしれない。戦闘と謎解きだけでなく、ステルスの難易度も調整できたらよかったのだが……。
しかし失敗が許されない状況は、手に汗握る緊張感をもたらす動力源になっているのも事実。その緊張感は過去のシリーズ作品を優に超えていて、難所を乗り越えたときは清々しい解放感を抱いたほどだ。そこに面白さを見出せるかどうかが、本作の評価を決めるポイントになると思われる。



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