- 文●藤田 忠 編集●ハッチ
冷却パフォーマンスをチェック

CPU基板部へのグリスの漏れを防ぐのが役割になるが、銅プレートタイプは冷却性能の向上に期待できるという声も多い。ここでは、未使用+5種類でCPU冷却性能に違いが出るか試してみた。
ゲームに特化した8コア/16スレッドCPUのRyzen 7 9800X3Dや、ASRock「X870 Steel Legend WiFi」などをピラーレスPCケースに組み込んでいる。CPUクーラーはツインタワーヒートシンクに、120mmファン×2基を備えるID-COOLING「FROZN A620 PRO SE」を使用した。
ストレステストには「Cinebench 2024(10min)」を利用し、「FROZN A620 PRO SE」の120mmファン×2基は、回転率100%で運用。そのほか、ピラーレスPCケースのサイド吸気ファン×2基と、リアとトップの排気ファン×2基は、いずれも回転率40%で運用している。
モニタリングソフトウェア「HWiNFO64 PRO」を使って、CPU温度「CPU (Tctl/Tdie) [°C]」を記録した。

検証環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD「Ryzen 7 9800X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.2GHz、TDP120W) |
| CPUクーラー | ID-COOLING「FROZN A620 PRO SE」 (ツインタワーサイドフロー、120mmファン×2) |
| ビデオカード | ASRock「Radeon RX 9060 XT Steel Legend 16GB OC」 (AMD Radeon RX 9060 XT 16GB GDDR6 ) |
| マザーボード | ASRock「X870 Steel Legend WiFi」 (AMD X870チップセット、ATX) |
| メモリ | CORSAIR「VENGEANCE DDR5 6400 32GB」 (16GB×2、DDR5-6400) |
| ストレージ | Samsung 「980 PRO 2TB」 (2TB、M.2 SSD、PCIe4.0×4) |
| 電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX V PLATINUM PRO 1000W」 (1000W、80PLUS PLATINUM) |
| OS | Microsoft「Windows 11 Home」 |
冷却性能はAM5 Thermal Paste GuardがNo.1
想定通りと言える結果で、銅とアルミニウム素材を使った3製品は、ストレステスト中の、CPU温度に変化がみられた。

3製品のなかでも、”良い”という声が多かったDeepCool「AM5 Thermal Paste Guard(型番:R-AM5TPG-CUNNAN-G)」は、デフォルト状態から最大、平均温度ともに2.5℃ダウンしている。2番手はThermalright「AM5 SECURE FRAME RED(型番:TR-AM5-SF RED)」となったが、自己責任というデメリットを無視できるほどではない。
また、予想通りだがシリコン素材を採用し、凹凸にピッタリとハマるElecGear「CPUサーマルペーストガード」は、逆に2℃弱上昇している。グリスの漏れを防げるが、温度が上昇してしまうのは悩むところだろう。
付加価値か、グリスガード目的かで選ぼう
パチッとはめ込まないと、CPUヒートスプレッダーとCPUクラー受熱部が浮いてしまう可能性もあるDeepCool「AM5 Thermal Paste Guard(型番:R-AM5TPG-CUNNAN-G)」だが、グリスガードと冷却性向上という2つのメリットは魅力的だ。800円程度と手ごろな価格なうえ、入手性も良好と、SNSの声の通り、推せるAM5グリスガードと言える。

次点としては、冷却面での影響はほぼないが、グリスガードの役割を果たしつつ、スムーズな取り付け、手ごろな価格なアイネックス(PentaWave)「MK-04C」、ほぼ完璧にグリス漏れを防ぐという点で、ElecGear「AM5 CPU GUARD」といった感じだろう。

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