- 文●ハッチ
レノボは、ポータブルゲーミングPCの最新モデル「Legion Go Gen 2」と、「Legion Go S」の2モデルを発表した。それに伴い、都内の本社にてメディアへの新製品説明会・体験会を実施した。本製品は2025年1月に実施されたCES 2025にて発表していた製品。

CESでは「Legion Go S」にカラーが黒でSteamOSを搭載したモデルも発表していたが、海外では既に発売されているものの、日本ではWindows版でのみ発売する。そうした、どのモデルを発売するかも含め検討していたことで、国内での発売は遅れたとしている。
ディスプレイはOLED

「Legion Go Gen 2」は、 8.8インチのOLED(有機EL)を搭載したポータブルゲーミングPC。発売日は12月12日で、価格は18万9000円前後(税込)。PC Game Psss(3ヵ月)が付属する。

ディスプレイサイズは、従来の同社初のポータブルゲーミングPCだった初代「Legion Go」と同じだが、以前はIPSパネルだったところOLEDになり、変わりに解像度が2560×1600ドットから1920×1200ドットに下がっている。
その理由について、以前はより高画質だった分、発熱が高くバッテリーの持ちが悪かったが、今回は解像度を落とす代わりにバッテリーの持ちが向上しているとしている。解像度がWQHD以上の製品は他にもあるが、CPU内蔵のGPUのみ搭載する製品の仕様上、フルHDまたはHD画質まで画質を下げないとAAAタイトルのような重いゲームは快適にプレイできない。
そういった意味では、解像度よりもバッテリーを優先したことは理にかなっていると言えそうだ。リフレッシュレートは従来機と同じく144Hzのままとなっている。また、10点マルチタッチに対応。
ユーザーの意見も反映し、コントローラーもより使いやすく進化
CPUは従来のRyzen Z1 Extremeから、AMD「Ryzen Z2 Extreme」(8コア/16スレッド、最大5GHz)に変わっている。メモリは32GB(LPDDR5X、最大8533MHz)と、競合の8インチディスプレイの製品よりも容量、周波数ともに高いものが採用されている。
ストレージは1TB SSD(PCIe Gen 4)で、バッテリー容量は74Whと従来機の49.2Whよりも増加している。インターフェースは従来機と同じくUSB 4×2、マイクロSDカードスロット、マイクロホン/ヘッドホンコンボジャックと変わらない。マイクロSDカードは、最大2TBまで対応する。
本体サイズは約295.6×136.7×42.25mm(本体+コントローラー)、重量が約920g。若干従来機よりも幅が狭くなっているものの、厚みと高さは少し増え、パッと見のサイズは変わらない。ただし、重量はバッテリーが増えていることもあるだろうが、従来の約854g(本体+コントローラー)よりも増えている。
ちなみに背面には従来機と同じく、折り畳み式のスタンドもあり、単体でも画面を立てられる。スタンドは無段階で角度が換えられる。

また、従来機と同じくコントローラー部は外すことができ、右側のコントローラーは付属のスタンドに差し込むことで、マウスのような操作が可能になるFPSモードが利用できる。従来機はスタンドにマグネットのみで取り付けていて、コントローラーを浮かすと割と簡単にスタンドから外れてしまっていたが、今回は物理的にロックがかかる仕組みになり、簡単には外れなくなったとのこと。
さらに、従来機ではFPSモード時に本体と接触する金属部分がむき出しになっていたため、手が触れて汗などが付くことが気になるという意見があったという。そのため、本体から取り外した際に金属部分を覆うカバーも付属された。





そのうえ、グリップ部分は従来よりも滑らかな円を描き、より握り易くなるよう調整された。また、コントローラーの背面やサイドボタンも大きくて押しやすさを重視していたが、誤動作も起きやすかったため、小さくして配置を変えるなどして調整されている。
上部にあるスピーカーの開口部は拡大し、EQを調整して音質を向上。従来機では小さくて認識し辛かったというユーザーからの意見を参考に指紋認証を備えた電源ボタンも大きくなっている。


ちなみに、「Legion Go Gen 2」には、専用のケースが付属。従来機のケースは、チャックを閉めた状態からでも外にUSBポートがあり、内部に収納したLegion Goの充電が可能なユニークな機能が付いていた。しかし、今回のケースにはその機能はなく、内部のポーチにFPSモード用のスタンドなどが収納できるシンプルなケースになっている。


また、同社は従来のLegion Goを発売した後に、Nintendo Switchのように取り外したコントローラーを取り付け、単体のワイヤレスコントローラーとする「Lenovo Legion Go コントローラー用バッテリー付き充電コネクタ」。ドッキングステーションなどをアクセサリーとして販売したが、「Legion Go Gen 2」とも互換性がある。
そのため、継続販売されている従来機のアクセサリーが活用できるとしている。




9万円台と比較的安価なポータブルゲーミングPC

「Legion Go S」は、8.0インチ(1920×1200ドット)のディスプレイを搭載したポータブルゲーミングPC。リフレッシュレートは120Hz。「Legion Go Gen 2」と異なり、こちらはIPSパネルを採用。sRGBカバー率100%でタッチ対応。 発売日は12月12日で、価格は9万9880円前後(税込)。PC Game Psss(3ヵ月)が付属する。

CPUはAMDがCES 2025で発表したエントリーモデルのAMD「Ryzen Z2 Go」(4コア/8スレッド、最大4.3GHz)。アーキテクチャーは、最新のZen 5と異なり2世代前のZen 3+となっている。最大の特徴はTDPが15Wからとなっているほどに低いこと。そのため消費電力が低く、その分バッテリーの持ちが良い可能性が高い。
メモリは16GB(LPDDR5X、最大7500MHz)、512GB SSD(PCIe 4.0)。サイズは約299×127.55×43.4mm、重量は約740g。
「Legion Go Gen 2」のようにコントローラーが着脱式になってはいない一体型。スピーカーはフロント下部にあり、右のジョイスティックの下に小さいトラックパッドを備えている。
形状としてはシンプルで、一般的なポータブルゲーミングPCと同じ。FPSモードがあるため、側面にも2つもカスタムボタンがある「Legion Go Gen 2」と異なり、背面にカスタムボタンが2つあるのみ。そのほか、背面の左右上部にトリガースイッチの深さを2段階で変えるスイッチがある。

また、背面吸気口が非情に大きく、高い冷却性能を発揮するとしている。

近い価格帯のASUS ROG Xbox Allyは、Zen 2のRyzen Z2 Aを搭載しているため、搭載するCPUのアーキテクチャーとしては、より後発のものとなっている。また、ディスプレイサイズは、ROG Xbox Allyが7インチのため、「Legion Go S」の方がやや大きい。
メモリとストレージ容量、ディスプレイのリフレッシュレートは同じ。カラーもどちらも白なので、性能差も近いと考えられるので、デザイン性とトリガーの深さを変えられる点などで、好みが分かれるといったところか。
【製品詳細】
Lenovo Legion Go Gen 2(レノボ レギオン ゴー ジェン ツー)
URL:https://www.lenovo.com/jp/ja/p/handheld/legion-go-gen-2/len106g0004
Lenovo Legion Go S(レノボ レギオン ゴー エス)
URL:https://www.lenovo.com/jp/ja/p/handheld/legion-go-s/len106g0002

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