- 文●いちえもん 検証パート文/編集●ハッチ

「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」(以下、デススト2)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが販売し、小島秀夫監督が率いるゲームスタジオ「コジマプロダクション」が開発したアクションアドベンチャーゲームだ。2025年6月にPlayStation 5版が発売され、2026年3月19日に満を持してPC版がリリースされた。
本作は、映画的体験とオープンワールド体験を織り交ぜた「DEATH STRANDING」シリーズの第2弾。“つながり”を題材としたストーリーをはじめ、他プレイヤーとのつながりを見出せる「ソーシャル・ストランド・システム」、”荷物運び”に重きを置いた独特なゲーム性、広大なオープンワールド体験、ハリウッド俳優を起用した登場人物たちなどが特徴となっている。
本作のPC版にはアップスケーリングやレイトレーシングに加え、21:9のウルトラワイドディスプレー対応、フレームレート上限の解禁、新要素が追加されている。PlayStation 5版以上のグラフィック環境でデススト2の世界を深く探検できることこそ、PC版の強みと言ってもいいだろう。
発売済みのPC版はSteamのレビューで「圧倒的に好評(最高評価)」を獲得しており、多くのユーザーから高い支持を得ている状況だ(3月28日時点)。今回、ソニー・インタラクティブエンタテインメントからコード提供があったので、デススト2のレビューをお届けしたい。
次なる配達はメキシコ・オーストラリア!つなぐ旅はまだ終わらない
「DEATH STRANDING」シリーズの舞台は、謎の現象「デス・ストランディング」によって人間の営みや文明、国家が崩壊してしまった世界だ。
死者の国「ビーチ」の介入により、亡霊である「BT」が各地に出現。生者がBTに接触すると、「対消滅(ヴォイド・アウト)」と呼ばれる大爆発が発生する。
さらに触れた者の時間を進め、肌を老朽化させる「時雨(タイム・フォール)」も発生。デス・ストランディングによって、人間が生きづらい環境に変貌してしまった。そういった脅威から身を守るため、生き残った人類の多くは都市や拠点内に閉じこもるようになったというわけだ。



分断された世界をひとつにするには、人間同士の絆(各地の拠点)をつなぐ必要があった。そこでアメリカ合衆国政府は、伝説の運び屋こと「サム・ポーター・ブリッジス」に配達、および「カイラル通信(生活や復興に欠かせないデータをゼロ時間で送受信できるネットワーク技術)」の接続を依頼する。
前作は、サムが配達と通してカイラル通信をつなぎながら、「北米大陸」を横断するストーリーを描いていた。前作をこれからプレイする人もいると思われるので、ストーリーの詳細は割愛させていただく(デススト2で前作のあらすじを確認できる)。


前作のあらすじはこれぐらいにして、ここからは本題であるデススト2を語るとしよう。
前作から数年後、サムは配達業から退き、BB(ブリッジベイビー)の「ルー」と平和な生活を送っていた。だが、とある事情(ネタバレになるので詳細は割愛)で、サムは「跳ね橋部隊」のメンバーとして配達業を再開することに。カイラル通信をつなぐとともに、絶たれた絆を修復する旅がふたたびはじまる。


デススト2の序盤はメキシコが舞台で、それ以降はオーストラリアに場所を移して配達を行う。舞台は変化しているが、依頼人からの要請を受注し、指定された場所へ荷物を納品するという基本的な部分は前作と同じだ。



残された自然と廃屋が点在する、荒廃したマップは健在だ。多彩な環境を取り入れたことで新鮮味が増し、前作以上の”歩く面白さ”を実感できた。配達を忘れ、探索に没頭したくなったものだ。


さらに、マップの規模が拡張された点もポイントだ。前作はエリアごとに区切りが設けられていて、通過するたびにローディングが挟まれていた。
しかし、デススト2の場合、とくにオーストラリアはローディングを挟むことなく、大陸全体を自由に移動できるようになっている。シームレスになったおかげで、スムーズな探索が可能になったのだ。地平線まで広がるマップの規模感に感動した覚えがある。


数々の脅威と手間と戦いながら、荷物を送り届ける面白さ
デススト2の魅力は、配達の要素。依頼を受けて指定された場所に荷物を届けるというシンプルなゲーム性だ。適切なルートを模索し、地形に応じて対策を練り、平和な配達を目指すことが本シリーズの面白さであり、病みつきになるところでもある。
配達するうえで、「スタミナ」や「忍耐」などのステータス管理が重要になってくる。現実と同様、長距離を移動すると疲れが生じるもの。そういった移動時の疲労をゲームに落とし込んだ結果、ウォーキングシミュレーターに留めない独自の面白さを引き出すことに成功したというわけだ。

重い荷物を背負いながら移動し続けると少しずつ疲れがたまっていく。スタミナは歩行や走行など移動に関わるアクションで減り、忍耐は急傾斜や川を無理して移動する、息を止める際に減る。どちらもゲージがゼロになると、荷物を落とす、荷物の耐久度が減る、転倒、川に流されるといったアクシデントに見舞われてしまう。
ほかにも血液ゲージやBBのストレスゲージ、靴の耐久度などのチェックも大切で、管理を怠ると配達はもちろん、戦闘で不利な状況になることも。要は、サムの健康管理を逐一チェックしなければならないのだ。




サムの健康状態をチェックしながら配達したり戦ったりするわけだから、面倒と言わざるを得ない。しかし、面倒臭いけれどもハマると病みつきになるのが、本シリーズの醍醐味。歩き方を習得すれば配達の奥深さに魅了され、”配達中毒”になるかもしれない。



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