- 文●いちえもん 編集●ハッチ
RE ENGINEは最適化処理しなくても快適で、描画能力は高い
懇親会の間に最優秀賞に輝いたCritical Pathの代表者と、カプコン基盤技術研究開発部 テクニカルディレクターの伊集院 勝氏の囲みインタビューが行なわれた。

――どういった経緯で今回のCOMPETITIONを知ったのですか?
Critical Path代表者:学校の先生からある日突然電話がかかってきて、こういう大会をやるっていうから、お前ら参加してくれないか?みたいな感じでした。メンバーは3年生と4年生が中心で、私が人を集めたというよりかは、先生方が集めてくれました。
――メンバーは全員で何名になるのですか?
Critical Path代表者:19名です。
――メンバーの役割の内訳は?
Critical Path代表者:プログラマーが6人いて、サウンド担当が3人、企画プランナーが3人、その他デザイン周りが7人です。
――『octΩpas』のゲームのスタイルは、どうやって決めたのでしょうか?
Critical Path代表者:制作も審査の環境も、クラウド環境も行なうというのが大前提だったので、アクション性の高いものだったり、入力がシビアなゲームだったりはいったん排除しました。そこから、パズルにしようか、となりました。チームの全員が挑戦したい、今までの制作でやってこなかったことを発揮しようみたいなコンセプトはあったので、私たちはこういうものがやりたい、私はこうやりたいみたいな、挑戦を繰り替えしてきたものが形になった感じです。
――RE ENGINEは初めて触ったのですよね?
Critical Path代表者:一部のメンバーはインターンシップで触ったことがありましたが、ほぼ初めてです。
――実際にRE ENGINEを使ってみてどうでしたか?
Critical Path代表者:墨を吐く挙動をイイ感じに制御してくれたところが、一番良かったです。
――吐いた墨が固まってブロックになり、その上に乗っかってジャンプするといった動作は難しかったんじゃないですか?
Critical Path代表者:セミオープンフィールドに対して、イイ感じに墨を広げていくという、決まった形がないものを柔軟に合わせていくところが、試行錯誤を繰り返し、一番技術的に難しかったところです。
――そのアイディアは最初から決まっていたのですか?
Critical Path代表者:チームそれぞれでアイディアを出して、そこから選んでいきました。一回、違うタイプでタコを主人公にするというアイディアがあり、それを採用していこうとしたのですが、担当の先生だったり、プランナーの中で詰まってしまったりしたので、タコを使って面白いギミックを考えようという感じになりました。
そうしたタコを主人公にすること自体が、1つの挑戦でした。
――クラウド上で作るうえで、大変だったことはありますか?
Critical Path代表者:学校の回線が弱くて、学校の回線が一時的に悪くなると開発自体もストップせざるを得ないみたいな状況はありました。狙い通りの部分はあったのですが、やはりラグが関係ないパズルにしてよかったなと思います。
――テストプレイとかもすべてクラウド上で行なっていたのですか?
Critical Path代表者:エンジン上でテストする時はそうですが、夏ぐらいからはパッケージの書き出しを行ったので、そこからはローカルでテストしました。
――制作していて一番大変だったことは?
Critical Path代表者:ずっと余裕はなかったですね。α版、β版という区切りが、ことごとくすべて遅れて、それを必死に取り戻すということを夢中にやっていました。
――商用化の可能性もありましたが、その点で開発上意識したことは?
Critical Path代表者:商用でゲームを作ると考えると、初めから終わりまで、ある程度プレイ時間を担保しなくてはならない。それぞれのマップが結構広かったり、ボス戦が結構長かったりするのですが、そういう点が大きいかなと思います。
――カプコンさんからアドバイスなどは受けていたのですか?
Critical Path代表者:受けていましたね。学校の先生は毎週、報告会に参加してもらってアドバイスを貰っていました。カプコンさんからは、エンジンの使い方とか技術的サポートを受けていました。
――マニュアルなどはあったのですか?
Critical Path代表者:マニュアルはあるのですが、マニュアルを知ったうえでも難しいところがかなりあったので、そういう部分に関しては聞いていました。
――RE ENGINEを使ってみて、ここが良かったなと思うことはありますか?
Critical Path代表者:やはり描画能力ですかね。私たちのゲームは、マップも広くて、配置物も多くて、描画物も多い状況で、こちらが最適化処理などをほどこさなくても、60fpsを切ることなくできたので、描画能力はかなり高いなと思いました。

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