- 文●ハッチ

ASUSは、世界初のAI機能搭載ルーター「ROG Rapture GT-BE19000AI」を2026年6月12日より発売すると発表した。実売は13万4800円前後(税込)。
無線LANルーターは、通信を処理するプロセッサーを搭載し、各機能はこのプロセッサーが処理する。そのため、多機能になるごとに負荷が高くなり、プロセッサーの性能が高くないと動作が重くなり、通信速度が低下することもある。
昨今は、PCにもCPUの中に、AI専用のコアであるNPU(Neural Processing Unit)が搭載され、Copilot+対応のAI PCなども増えている。そんななか、本製品は無線LANルーターとしては初めて高速通信用のプロセッサーとは別に、AI機能処理用のNPUを備えた製品となっている。
では、具体的にNPUが搭載されたことで、どんなメリットがあるのか、実際に通信速度はどれほどなのかを確認してみたい。
NPUを搭載し、最新Wi-Fi 7に対応、10GbEポートを2つ備える
まずは、「ROG Rapture GT-BE19000AI」の基本性能をチェックしていきたい。本製品はメインプロセッサーにBroadcomの「BCM4916」(Quad-Core、2.6GHz)を搭載し、それとは別に7.9 TOPSのAI処理性能を持つNPUを内蔵したSynapticsのAIコア「SL1680」(Quad-Core、2.1GHz)を備える。

「BCM4916」は64ビット対応のARMv8プロセッサーで、4GBメモリーと32GBフラッシュメモリーを搭載する。一方、「SL1680」は64ビット対応のArm Cortex-A73プロセッサーで、Imagination PowerVR Series9XE GE9920 GPU(OpenGL ES 3.2、Vulkan 1.1、OpenCL 1.2をサポート)に加え、4GBメモリー、32GBフラッシュメモリーを備える。
通信は最新のWi-Fi 7に対応。2.4GHz/5GHz/6GHzのトライバンドに対応し、さらに6GHz帯で320MHzチャネルが使用できるようになり、4096-QAMにも対応し、最大19Gbpsの無線通信を実現している。いずれも4×4の4ストリームに対応している。
簡単にWi-Fi 7の利点もおさらいしておこう。無線LAN通信は、接続する周波数帯域が被ると通信が遅くなる。そのため、通信の通り道であるチャネルを増やしてきた。そこで登場したのが複数の通信チャネルを束ねて1つの通信経路として使うチャネルボンディングだが、従来のWi-Fi 6Eまでは6GHz帯が最大160MHz(8チャネル分)だったところ、最大320MHz(16チャネル分)まで拡大し、最大通信速度が向上している。

4096-QAMは、最新のデータ変調方式で1回の信号で表現できるデータ量が、Wi-Fi 6Eまでの1024-QAMから増加。これにより、同じ帯域幅でも約20%通信速度が向上する。簡単にいうと荷物の詰め込み技術が向上して、1度に運べるデータ量が増えたということだ。1つの段ボールに入るデータを、真空圧縮袋で多く詰め込んだみたいなイメージだろうか。
また、従来のWi-Fi 6までは、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)というデータ送受信技術を使用していた。ただし、この技術では2.4GHzと、5GHz、6GHzといずれか1つの周波数帯域で通信を行う。そのため、5GHzで複数のデバイスを同時に接続すると、当然通信が重くなる。
一方で、Wi-Fi 7はMLO(Multi-Link Operation)という技術に対応。この技術では2.4GHz、5GHz、6GHzの複数帯域を同時利用または動的に切り替えることで速度や遅延、安定性を改善する。

こうした最新のWi-Fi 7に対応しながら、「ROG Rapture GT-BE19000AI」は10GbE×2・2.5GbE×4の有線ポートを備え、最大31Gbpsのネットワーク容量を誇る。

付属品はスタートアップガイドと、セットアップカード、ACアダプターに白いCat.7のLANケーブルが1本付属している。ちなみにウェブマニュアルにて、詳細な使用方法が記載されている。




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