- 文●いちえもん 編集●ハッチ

『Call of Duty: Black Ops 7(以下、BO7)』は、アクティビジョンが手がけたミリタリーFPS「Call of Duty(以下、CoD)」シリーズの最新作。2025年11月14日に発売される予定だ。
本作は「Black Ops(ブラックオプス)」シリーズの第7弾だが、2012年に発売された「Call of Duty: Black Ops 2」の続編にあたる。2035年の世界を舞台に、最先端の軍事兵器やテクノロジーを駆使した”近未来戦”を体験できるのが特徴だ。
10月6日から10日までの間、BO7のオープンベータテストが開催された。本作のゲームモードを一足先に無料で体験できるというものだ。「マルチプレイ」「ゾンビモード」の2種類が収録されている。
『Call of Duty: Black Ops 4』(2018年)以来の近未来戦になるわけだが、最新作のBO7はどのような進化を遂げたのか。そこで本稿では、BO7のオープンベータテストのプレイレポをお届けしたい。
久しぶりの近未来戦は、”ウォールジャンプ”がキモ?
BO7を実際に触ってみた限りでは、近未来系CoDの進化版であると感じた。SF的な近未来のマップや武器、ガジェットはそのままに、進化した「オムニムーブメント」が実装され、新しさを訴求することに成功している。
正式にいえば、オムニムーブメントは前作の『Call of Duty: Black Ops 6』に実装されていた移動アクションだ。全方位に移動および射撃ができるほか、アクション映画のような飛び出しや、伏せ状態での攻撃もできるようになっている。このあたりは前作のままだ。


最新作のBO7では、オムニムーブメントの新たな選択肢として「ウォールジャンプ」が追加された。壁を蹴った反動でもう一度ジャンプするというもので、要は「三角とび」ができる。壁を伝って反対側の足場へジャンプしたり、高い場所へ移動したりと、移動の幅が広くなった印象だ。
過去作にあった「壁走り」を彷彿とさせるが、あくまでもジャンプ。移動のみならず、ウォールジャンプを使った回避やヘッドラインずらしができるのではないかと考えている。




ほかにも、敵を羽交い絞めにして盾にするアクションもあった。羽交い絞めにした敵にフラググレネードを装着させ、そのまま相手のほうへ蹴とばすなど、少々外道なアクションも存在する。ただ敵の背後に近づいて羽交い絞めにするのは難しいため、上級者向けであると感じた。

”変わらぬ魅力”と”進化した魅力”が融合した近未来戦
オープンベータテストのマルチプレイでは、定番の「チームデスマッチ」「ドミネーション」「キルコンファーム」「ハードポイント」に加え、新モードの「オーバーロード」を体験できた。


過去作には戦車やヘリなどが配備された大規模戦のモードがあったが、今回は6v6の対人戦がメイン。近未来風の銃器や投擲武器、そして己のテクニックを駆使して勝利を掴むことが目的となる。
ビジュアルやマップ、武器等の違いはあるものの、全体的な仕様は従来のCoDシリーズと変わっていない。リスポーン位置が逐一変わったり敵に瞬殺されたりする戦闘も、武器やPEAK、スコアストリークなどのカスタマイズも同様だ。





マップ自体は、小規模戦を想定した作りになっている。複数のラインをベースにした構造になっていて、まっすぐ敵に突っ込んでいくラインや、側面から裏取りをしたりするラインなど、多種多様な立ち回りが可能だ。

さらに高低差のあるオブジェクトやポジションも存在し、有利・不利がはっきりしている点も特徴的だ。絶対的なアドバンテージを得るべく、マップの構造を把握することが重要になるだろう。マップを熟知したうえで相手を圧倒するなど、CoDならではの面白さは一切変わっていなかった。


唯一の変化を挙げると、ウォールジャンプを求められるマップがいくつか存在することだ。過去作にあった、壁走り必至のマップを思い出す。
なかにはウォールジャンプを失敗すると落下死するマップもあり、操作を誤ると”無駄死に”する場合もありうる。そのため、敵を求めてマップを走り回るだけでなく、足場の確認を怠らない意識も不可欠となる。敵を追跡していたらウォールジャンプを忘れて落下死……なんてことも。ウォールジャンプ、ほんと大事。

ラグビーやアメフト風の「オーバーロード」が楽しい
個人的に面白いと感じたモードは、本作の新要素であるオーバーロードだ。本モードのルールは、マップ内に点在するオーバーロードのデバイスを確保し、敵陣まで持っていくとポイントが付与される。前半・後半の試合を経て、最もポイントが多かったチームが勝利となる。
オーバーロードをわかりやすく例えると、ラグビーやアメフトに近い。ボール的存在のデバイスを持ち、敵陣でタッチダウンを決めればよいのだから。




非常にシンプルなルールだが、仲間との連携が大事になってくる。デバイスを持った仲間を護衛したり、銃弾で倒れた仲間からデバイスを回収し、敵陣へ突っ込んだりと、チームワークが試されるゲーム性に仕上がっているのだ。
死んだ仲間が落としたデバイスを引き継ぎ、ゴールへと導いていく。「あとは頼んだぜ」といわんばかりの感動的な展開が相次いだものだ。敵の妨害をかいくぐり、見事タッチダウンを決めたときの達成感はひとしお。そんなオーバーロードはサクっと遊べる内容でありながら、競技性の高さに驚いたものである。
生き残る術を模索しながら、大量のゾンビを倒す爽快感
BO7のオープンベータテストでは、CoD名物の「ゾンビモード」も体験することができた。ソロもしくは最大4人の協力プレイが可能なPvEのゲームモードだ。ゾンビモードをオープンベータテストで体験するのは初めてかもしれない。

今回体験したゾンビモードは、基本的にはゾンビの大群を倒し、長く生き残ることが目的だ。10ラウンドごとに脱出のチャンスが発生するが、脱出せずに死ぬまでゾンビたちに挑んでも構わない。脱出シークエンスで登場するボスとゾンビを全員倒せば脱出が完了する。


CoDのゾンビモードの魅力は、大量のゾンビたちを倒しまくる爽快感が味わえることだろう。ウェーブが進行するにつれてゾンビも強くなっていく。そのため、お金を稼いで武器を強化する必要がある。強化した武器で強くなったゾンビを打ち負かした瞬間、「俺TUEEE!」の快感に襲われるはずだ。


今回体験したサバイバル重視のゾンビモードは、手応え抜群の出来栄えだった。なにより仲間と一緒にゾンビの大群と戦うことで、パーティーゲームのようなワチャワチャ感を味わえるのがたまらない。仲間と連携が取れやすい小規模マップであることや、討伐に役立つ各種アイテムが便利であることが要因かもしれない。
製品版に実装されているストーリー重視のゾンビモードのついでに、機会があればサバイバル重視のゾンビモードも触れていきたいと思った次第だ。
近未来系CoDは苦手だったけど、BO7で克服できそうな予感
筆者は第二次世界大戦か現代戦のCoDをよくプレイしていたのだが、近未来戦のCoDは趣味嗜好的に合わなくて敬遠していた(BO2、BO4、アドバンスド・ウォーフェアはプレイ済み)。自称ミリタリーオタクだからか、「さすがにSFを採用してはダメだろう」と認めたくない気持ちが強かった。
しかし、BO7のオープンベータテストをプレイしてみたところ、思った以上に面白いと感じた。これまで抱いていた近未来戦の悪いイメージを払拭させるほどの出来で、素直に驚いた覚えがある。
武器やPEAK、マップによって評価が変わるものの、オープンベータの時点では「楽しい」の評価一択だった。近未来感あふれる銃撃戦は楽しかったし、白熱必至のゲームモードもなかなかに魅力的だ。今回のオープンベータテストで体験はできなかったが、協力プレイ対応のキャンペーンモードが気になって仕方がない。
毎年のペースで発売されるCoDは、年に一回催される祭りに近しい。2025年度のCoDも例年通りの盛り上がりが予想されるので、気になる人は11月14日に開幕する祭りに興じてみてはどうだろうか。
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