+5Vブーストモードで5V使用の機器が安定動作
さらに、ASRockは同社のオリジナル機能をいくつか盛り込んでいる。原口氏曰く、24ピンのケーブルは600mmなど割と長いものが多く、電圧が低いと減衰する。電圧が減衰するとUSB周辺機器などの動作に影響が出る。たとえば、RGBライティングやキャプチャーデバイス、Thunderboltなどは5Vを使用する。

キャプチャーデバイスであれば、電圧が減衰していた場合、ブロックノイズなどが出る場合がある。そのため、そうした減衰が起きないように電源から安定した電圧が提供できるようにする「+5Vブーストモード」という機能が搭載されている。

この機能はTaichiとPhantom Gamingはスイッチでオン/オフが切り替えられるが、Steel legend以下は標準で有効になっているという。上位モデルではオフにできる理由は、Taichiシリーズはワークステーションのユーザーも想定しているため、そうしたユーザーが意図的に電圧を抑えたいという可能性を考慮したためとしている。
温度監視センサーや耐熱ケーブルなどで高い安全性を実現
また、同社はPCIe 5.1対応の信頼性の高いケーブルの開発も行なったという。PEIe 5.0の12VHPWRケーブルはプラグに対してぐらつきなどの不安定な接続があり、GeForce RTX 4090で使用した際に融解する事故が起きていた。
そのため、PCIe 5.1では12VHPWRの欠点を補った12V-2×6ケーブルが採用されている。同社はそれだけでなく、コネクタ部分を黒と緑のデュアルカラーにし、正しく接続できていない場合は、緑色のカラーが見えるようにしてきちんと接続できているかを視認できるような工夫をしている。


さらに、12V-2×6ケーブルにはNTCセンサーが備わっていて、温度を監視して95~100℃くらいまでケーブルが異常発熱した場合に電力供給をカットオフし、PCパーツを守れるようになっている。さらに、105度対応の耐熱ケーブルも採用し、安全性を高めている。このケーブルもUL規格の信頼性の高いケーブルになっている。

また、ASROckの電源はGPUの高電力スパイクに対応できるようにトータルパワーエクスカーションが最大235%となる総消費電力と、最大300%のGPU消費電力をサポートする。ATX 3.1では瞬間最大2倍までの消費電力に耐えられる必要がある。
そのため、他社でも最大2倍、200%のトータルパワーエクスカーションに対応しているが、それを超える性能を持っていると謳う。要するに1000Wの電源であれば、瞬間最大2350Wまで耐えられる仕様になる。原口氏は来年以降最新のビデオカードは、よりシビアになる可能性があるため、最低でもATX3.1対応の電源は推奨していきたいとコメントした。

ファンレス機能も備える
さらに、同社の独自機能として「iCOOL Intelligent Fan Controle Mode」を備えている。これはいわゆるファンレス機能で、このモードがオンの場合は一定の温度または閾値まで温度が上昇するまでは、ファンが回らずに0デシベルになる。オフの場合は電源の負荷関係なく最低限ファンが回り続け、負荷が上がると回転数が上がる仕様になっている。

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