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ASUS、ROG Xbox Ally Xの性能が3倍以上に!?RTX 5070 Ti搭載Thunderbolt 5対応XG Mobileの使い勝手と性能をチェック

目次
  • 文●ハッチ

ROG Xbox Ally Xが手軽にパワーアップ!

 さて、では実際にROG Xbox Ally Xの性能がどこまで向上するのかを簡単に確認してみたい。まずは、GPU性能を計測する定番アプリ「3DMark」でスコアを測定してみた。

 Fire StrikeとTime SpyともにROG Xbox Ally XにXG Mobileを接続した方が、3倍もスコアが向上。ROG Xbox Allyよりは5倍以上と高いスコアを示している。8インチと画面が小さいゲーム機型PCであれば、解像度を1280×720ドットのHD画質まで落としても、画質をあまり気にせずにプレイできることもあるが、大型のディスプレイやテレビに接続してプレイするなら、より高解像度でゲームをプレイしたい。

 そうした要望にきちんと応えられる性能向上と、省スペースでの運用が可能なコンパクトなボディが両立している点では、XG Mobileは他に選択肢のあまりないセグメントであることは間違いない。

 次は定番の実ゲームベンチマークソフト『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトでスコアを計測し、以前計測した「ROG Xbox Ally」と「ROG Xbox Ally X」のスコアと比較してみたい。

GPUが異なるため、フレーム生成はXG MobileのみDLSSを使用している

 ベンチマークスコアは、ROG Xbox Ally Xの約2.3倍と、2倍以上の差を付けている。ROG Xbox AllyのCPU内蔵GPUでは、さすがにフルHD以上になると厳しいが、試しに画質設定は「標準品質(ノートPC)」から変えずに、解像度を3840×2160ドットの4Kにしても計測してみたところ、最高評価の「非常に快適」(15000以上)にはならなかったが、それでも11762スコアの「とても快適」評価。フルHDどころかWQHD以上でもゲームがプレイできる性能を見せた。

 より動作が重いベンチマークソフトとして『モンスターハンターワイルズ』ベンチマークソフトでも性能を検証してみた。ROG Xbox Ally Xは、解像度が1920×1080ドット、グラフィックスプリセットが最も低い「最低」、FSR:ウルトラパフォーマンスでスコアであれば、12632(74fps)とそこそこ快適に遊べる動作になる。

 一方で、XG Mobileを接続した場合は、グラフィックプリセット「高」、DLSS x4:バランスでスコアが20978(122.49fps)と、より高画質で快適に動作できる性能を示している。

 解像度が4Kになると厳しいが、WQHD(2560×1440ドット)なら、スコアが16226(95.23fps)とまずまずなので、WQHD以上での高画質プレイも狙えそうだ。

 9月22日に発売された、人気ホラーゲーム「サイレントヒル」シリーズの最新作『SILENT HILL f』のフレームレートでも比較してみた。本作はフルスクリーンだと解像度が変更できなかったため、画質設定とアンチエイリアス設定の2つを「クオリティ」「バランス」「パフォーマンス」の3つに揃えて、3パターンの計測を行った。以降の実ゲームのフレームレートは、CapFrameXで測定している。

 『SILENT HILL f』は、霧が立ち込めるシーンなど割と重い場面もあり、「クオリティ」だとROG Xbox Ally Xは平均35.5fpsまでフレームレートが落ち込んでいたが、XG Mobileを接続していれば63.7fpsとまずまず快適に動作している。重量級のゲームになると、画質の設定によってはややWQHD以上が厳しいこともありそうだが、XG MobileがあればフルHD以上で快適に動作しないゲームはなさそうだ。

 最後にROG Xbox Allyの検証時も採用した『空の軌跡 the 1st』でフレームレートを測定してみた。グラフィックプリセットは最高画質の「Ultra」にして、フィールドでアクションをしている際のフレームレートを計測した。

 ROG Xbox Ally Xは解像度がフルHDで、プリセット「High」で平均34.5fpsと厳しく、プリセットを「Low」に落としてようやく平均60fpsを超えるくらいだった。しかし、XG Mobileを使用するとフルHDなら、最高画質の「Ultra」でも平均143fps。1% Low Avarageでも100fpsを超え、非常に快適にゲームがプレイできる。

薄型のため本体の温度はそれなりに高い

 XG MobileはデスクトップPC用のビデオカードを取り付けて使うeGPUボックスより、コンパクトということが利点の1つであるが、やはり気になるのはその発熱だ。そこで、3DMarkで動作検証中の温度をサーマルカメラで測定してみた。

 負荷を与えている際は、本体側面が全体的に熱くなり、50度前後となっている。特に排気孔部分は熱が高く、65度を超えているところも。この発熱量は非常に高いため、正直サーマルスロットリングに入っているのでは、と懸念したくなるところだが、GPUの性能が極端に落ちていることはなかった。

 本体を手に持って触ったりすることもないので、特に気にする必要はないかもしれないが、近くにいると少し熱を感じるほど。GeForce RTX 5070 Ti Laptopでこれなら、GeForce RTX 5090 Laptop搭載モデルは、本当に大丈夫なのかが少し気になるところだ。

省スペースで高性能ノートPC並みの性能に!価格がネック

 以上でROG XG Mobile GC34Rの検証は終了したい。XG Mobileは、モバイル用GPUのGeForce RTX 5070 Laptopを搭載し、Thunderbolt 5に対応したUSB Type-Cケーブル1本で、ROG Xbox Ally XやUSB4以上のポートを備えるノートPCなどの性能を、省スペースで向上させられるeGPUボックスだ。

 サイズで言えば、One-Netbook社が発売した「ONEXGPU Lite」(Radeon RX 7600M XT採用)の方が小型だが、より高性能なGPUを備えているのと、USB Type-Aや高速な5G LANを搭載するなど、拡張できる機能も充実している。

 ただし、性能は向上しているものの、より高性能なCPUを備え、GeForce RTX 5070 Laptopも搭載するゲーミングノートPCと比較すると性能は落ちる。また、ROG Xbox Ally Xが備えるポートはあくまでUSB4なので、より高速な転送が可能なThunderbolt 5対応のデバイスに接続した方が、より高い性能が出る可能性は高い。

 割と知らない人も多いが、USB4は最小帯域幅が20Gbpsだが、Thunderbolt 4は40Gbpsだったりと、USB4よりもThunderbolt 4の方が規格の最低要件は高い(ほかにも最小供給電力なども異なる)。

 しかし、現状はThunderbolt 5を持つノートPCは、高性能なゲーミングノートPCが多く、別途eGPUボックスを必要としない製品が多い。そのため、今はROG Xbox AllyシリーズなどのUSB4対応のゲーム機型PCなどで使って、後に他の小型PCなどの描画向上に利用するなどが望ましい。

 しかしながら、やはりネックなのは価格。24万9800円(税込)という、そこそこのゲーミングノートPCが購入できる価格は、かなり厳しい。性能の性質や、可搬性や収納もし易いコンパクトボディに魅力を感じる、ガジェット人向けといったところなのは、従来から変わらない。その点も踏まえて購入を検討してみると良いだろう。

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