- 文●ハッチ
2つのゲームを同時に起動は可能だが……
「Steam Machine」は、前述したようにゲーム機のように、スリープ状態からの復帰するレジューム機能を備えている。では、Xbox Series X|Sのような、複数ゲームを同時起動して切り替えられるクイックレジュームは可能なのか試してみた。
試しに『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』起動中に、『バニーガーデン2』を起動してみた。すると、「パフォーマンスに影響する可能性があるため、複数のゲームを同時に実行することは推奨しません。」という警告が表示される。そのまま、「このままバニーガーデン2を起動する」を選択すると、『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』を起動したまま、『バニーガーデン2』が起動できる。


©2026 qureate
©TYPE-MOON / Project LUMINA
実際に2つ同時にゲームを起動した動きは、上の動画のとおり。『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』を起動したまま『バニーガーデン2』を起動してプレイはできる。しかし、『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』の音はバックグラウンドで流れたままになっている。
ゲームを切り替えても、『バニーガーデン2』の方が音が小さいのでわかりづらいが、『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』に切り替えても『バニーガーデン2』の音は流れたままだった。
ASUS「ROG Xbox Ally」シリーズなどは、Steam内で同時に複数ゲームは起動できないが、プラットフォームが異なれば動作する。SteamとEpic Game Storeなどと、異なるプラットフォームのゲームを同時起動して切り替えられるが、この際も同じ動きをしていた。
海外ゲームのゲームは、画面がバックグラウンドにいくと自動的に一時停止され、音もミュートになるケースが多い。一方で、今回のように日本メーカーのゲームは、画面がアクティブでなくても一時停止にならず、音が出続けているケースがほとんどだ。
そのため、ゲームによっては複数起動して切り替えて遊べるが、基本的にはXbox Series X|Sのクイックレジュームのようなことはできない。また、ONEXPLAYERやAYANEOなどの一部のゲーム機型PCに最近搭載されている“冷蔵庫”機能のように、プレイを中断するゲームはメモリー内で凍結させるわけでもないので、2つのゲームを同時に起動すると警告のポップアップどおり、フレームレートに影響が出る。
実際に『Forza Horizon 6』起動中に、別のゲームを起動したら画面がガクガクになり、まともにゲームプレイができなくなった。2つ同時起動はビデオメモリーの容量が重要になるので、今後のアップデートで機能が正式に対応される可能性も薄いだろう。
デスクトップモードでアプリも使えて、ある程度PCライクでも使える
Steam Machineは、LinuxベースのSteamOSを搭載しているが、オープンソースのデスクトップ環境である「KDE Plasma」が利用できる。



フォルダーの左サイドバーには、対応アプリのリンクがジャンル分けされて格納されている。画像編集のGIMPなど、Windowsでもお馴染みのアプリもいくつかダウンロード&インストールして使用できる。

ブラウザーのFirerfoxをインストールすれば、ネットサーフィンも行えてYouTubeで動画を見たり、ブラウザーゲームもプレイできた。


PCゲームをゲーム機ライクで遊ぶならアリだが、価格が残念
最新のWindows 11では、昨今セキュリティーが強化され、基本Microsoftアカウントを要求され、PINコードは必須、二段階認証も推奨され、ゲームをプレイするだけのユーザーにとっては煩わしい手順も多い。また、最新アップデートによりXboxモードが実装されたとはいえ、スタートアップ起動はなく、ゲーム起動までには多少の手順と時間がかかる。
一方で「Steam Machine」は、基本的にSteamOSのホーム画面が起動するため、ゲーム機と近い感覚でゲームが即起動できる。レジューム機能もあるため、中断したゲームをスリープから即立ち上げてPCゲームが遊べる手軽さは、本製品の最大の魅力だ。

また、性能的にはAAAタイトルの画質「低」設定なら、フルHD&60fps前後でなんとか遊べたSteam Deckよりは高い、Radeon RX 7600 XT相当の高めの設定で、AAAタイトルが設定次第では4Kで動作するため、WQHDからフルHDでなら大抵のPCゲームが快適に大画面モニターで遊べて、ゲーミングPCの代わりになる。
しかし、残念なのは価格だ。筆者は「Steam Machine」が発表された当初、型古のZen 4アーキテクチャー採用のCPU、RDNA 3のGPUを採用したことで、コスパ良く販売されて売れるのでは?と予想していた。「Steam Machine」が発表されたばかりの頃は、最新のDDR5メモリーの高騰が目立ち、筆者がIT業界を追ってからの二十数年のなかでは、もっとも最新世代よりもやや型古の世代を安く購入して乗り切ろうという風潮が強かったからだ。
Steam Deckも国内市場での発売がグローバルよりは遅くなり、SoC的には今さら感はあったものの、競合と比較して価格がお買い得だったこともあり、多くのインディーゲーム開発者などが購入して人気を博した。筆者的には12~13万円台くらいで販売されれば、ミドルクラスでも20~30万円が当たり前になってきたゲーミングPCよりも魅力的に思われると良そうしていた。
だが、残念ながら半導体高騰化の影響か、ゲーミングPCの販売低下により、当初予定していたソフトウェアの売り上げが伸び悩んだのか、「Steam Machine」は18万9980円~で販売された。
確かに、最新のゲーミングPCと比較すると安価ではあるが、未だ販売されているRadeon RX 7600 XTを搭載した型古のゲーミングPCは、14~15万円台なので、そこから考えるとどうしても高く感じる。
さらに、貸出期間が短かったため、検証も不十分だがSteamOSでは、Windows上で動かした時よりも、明らかにフレームレートが下がるタイトルも少なくなく、最適化不足が否めない。

タワーケースのゲーミングPCよりは小型、NUCのようなより小さいミニPCよりは高性能、それでいてリビングに置いても違和感ない、おしゃれ感のあるデザイン面は高く評価するものの、お買い得感としてはやや薄れてしまったのは残念だ。
また、単純にゲームをプレイするだけならライトユーザーでも問題ないが、SteamOSがLinuxベースのため、Windowsで当たり前のショートカットが機能しないなど、ゲーム以外のことを行おうと思うと、途端に難易度が高くなる。そのため、結局デジタルガジェット好きのためのデバイス感は否めず、強くライトユーザーにオススメし辛い。
そうした点も踏まえ、ゲーム機ライクでSteamで購入したPCゲームだけを遊びたい、SteamOSを搭載したガジェットとして面白いと感じた人は、再販された際に購入を検討してみても良いのではないだろうか。
KOMODO STATION(Steam Machine製品ページ):https://komodostation.com/product/steam-machine

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