- 文●いちえもん 編集●ハッチ
ステ振りやスキル習得など、主人公の‟成長“が攻略のカギ
最後に『いのちのつかいかた』のキャラクターカスタマイズを述べたい。従来のRPGと同じように、本作は戦闘やイベントで経験値をかせぎ、レベルを上げていくスタイルを採用している。

戦闘や選択肢の結果では、レベルアップに必要な経験値に加え、ステータスの強化に必要なポイント「呪力」ももらえる。その呪力を筋力や体力、知力などのステータスに割り振ることで、主人公の強化が可能だ。
攻撃力を重視するなら筋力に極振り、バランスを重視したステ振りなど、さまざまな育成プランでゲームを進められるのが本作の魅力と言えるだろう。


先ほども触れたが、主人公のステータスは戦闘のみならず、ダイス判定の成功率にも大きく関わってくる部分だ。各ステータスの高さがダイス判定の結果を左右すると言ってもいい。大事なのでもう一度言うが、ステ振りはほんと大事。

また、レベルアップするとスキル習得に必要な「SP」(ポイント)がもらえ、各クラスに割り振れるようになる。
各クラスのレベルがアップすると新しいスキルを習得できるようになり、戦略の幅も広がっていく。攻撃の手段が増えるほど戦闘も有利になっていき、雑魚敵を素早く倒したり、手強いボスに挑みやすくなったりするなど、さまざまな恩恵が得られるのだ。
さらに新しい指定された2組のスキルを一定値まで強化すると、4種類の「上位スキル」が解放される。基礎スキルよりも強力な技を習得でき、さらなるアドバンテージが得られるようになるのだ。


脳筋の戦士や魔法も扱える戦士など、思い思いの主人公を自在に創造できる点はRPGの醍醐味であり、病みつきになるポイントでもある。同時に、RPGの核となる「ロールプレイ」の面白さを際立たせることにも成功している。
どのクラスを強化しようか迷ってしまう……。この迷いこそ、本作のようなRPGに没入している、いわばハマっている証拠と言っても過言ではない。
まとめ:懐かしさと新しさが融合したJRPG
『いのちのつかいかた』を4時間ほどプレイしてみたところ、インディーだからこそ実現できた画期的な試みと、クリエイターのRPG愛に対して深い感銘を受けた次第だ。RPGの原点を教えてくれる一本として、本作をプレイする価値は十分あるだろう。
また、懐かしさと新しさのバランスが絶妙である点もポイントだ。ゲームブック風の展開やTRPGのダイス判定、ステ振りといった懐かしさと、QTEを取り入れた新しさが印象的で、既視感は多少感じたものの、新鮮な気持ちで本作を楽しむことができた。
たったひとつの命を自分自身のために使うのか、それとも他者のために使うのか。選んだ行動でストーリーの結末が変わるため、主人公の冒険を最後まで見届けたくなるうえに、別の結末も見てみたいという気持ちに駆られるのだ。
RPGの原点を振り返りつつ、今までにない新しさを体感したい人はぜひ本作をプレイしてみてほしい。
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