- 文●ハッチ
ROG Xbox AllyもGPU性能はSteam Deckよりは高い
今度は古くから軽いゲームの定番となっていて、初代GPD WINから計測を続けている『ドラゴンクエスト10』ベンチマークソフトの結果と比較してみた。ちなみに、初代GPD WINなど古い機種は、解像度が1280×720ドットと低かったため、解像度はそれに合わせ、画質は「標準品質」として計測している。

『ドラゴンクエスト10』のベンチマークソフトは、インテルのCore Ultraに搭載されたIntel Arcの相性が良く、大きく離されているが、AMD Ryzen搭載機のなかではROG Xbox Ally Xがトップになっている。ROG Xbox Allyも7年前のCore m3や、5年前のCore i5に近いスコアを示していて、「快適」評価となっている。
念のため、解像度1920×1080ドットのフルHDで、最高品質での結果も示しておきたい。


フルHD&最高品質でもROG Xbox Allyは「普通」評価に留まっている。一方で、ROG Xbox Ally Xはスコアが15000を超え、「すごく快適」評価となっていて、とても快適にプレイできる評価を保っていた。
では、描画性能を計測する定番ベンチマークソフト「3DMark」のスコアではどうだろうか。競合機種との比較は、以前各機種を計測したデータのため、あくまで参考値として欲しい。各機種とはFireStrikeとTimeSpyでのみ比較した。
ちなみに、本計測はROG Xbox AllyのデフォルトのGPUへのメモリ割り当てでは、どうしてもエラーで進まなかったため、この測定のみGPUへのメモリの割り当てを6Gから8Gに設定。ROG Xbox Ally Xもそれに合わせて、8Gから16Gに変更して計測している。

3DMarkでもROG Xbox Ally Xは、Cinebenchと同じように若干同じZen 5コアを搭載したCPUの「Claw A8 BZ2EM」に負けている。一方で、ROG Xbox AllyはRyzen 7 5700よりも高いスコアを示している。かつてライターがWindows 11を入れてSteam Deckで計測した結果が、FireStrikeで1700台(古い結果だが)だったので、少なくともGPU性能に関してはSteam Deckよりは、高いと思われる。
また、Extremeが付かないRyzen Z1を搭載したROG AllyのFireStrikeのスコアは、1800台前半という記録もあるため、1世代前のRyzen Z1 Extremeには劣るが、同じくコスパ重視用のRyzen Z1よりは、高いGPU性能でゲームによっては、より快適に遊べる期待感がある。
一応、ROG Xbox Allyシリーズのみで、ほかの3DMarkのテストも踏まえた結果を示しておきたい。

総じてどのテストでもROG Xbox Ally Xの方がROG Xbox Allyよりも倍ほどのスコアを示している。レイトレーシングに対応したSteel Nomad Lightは、ROG Xbox Ally Xもかなり低いスコアになっているため、レイトレーシングを使っての重いゲームのプレイは、なかなかに難しそうだ。
ROG Xbox Ally Xは『モンハンワイルズ』も画質次第では遊べる!
さらに、実ゲームのベンチマークでの計測結果を見ていこう。まずは定番ベンチマークソフトの『ファイナルファンタジーXIV』のベンチマークソフトの結果を確認したい。
『ドラゴンクエスト10』ほどは過去データが残っていないが、『黄金のレガシー』より1つ前の『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のベンチマークでも計測した。加えて、『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトでも使用し、過去に計測して筆者が記録を残していた製品の結果とも比較してみた。
いずれも品質は「標準品質(ノートPC)」に設定。『黄金のレガシー』のベンチマークソフトはアップスケーリングに対応しているため、AMD FSRの「常に適用」でスコアを計測した。ここからは、ゲームによって画質のプリセットの表記が異なるため「品質」と統一して表記する。


やはり『ドラゴンクエスト10』と同じく相性の良いIntel Arcを搭載した製品が強さを見せていて、それに加え「Claw A8 BZ2EM」にも若干スコアで負けている。では、計測結果のフレームレートではどうだろうか?


若干画質がアップデートされ、指標も変わった『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』では、若干フレームレートが落ちているものの、ROG Xbox Ally XはフルHDでも48.1fpsを超え、「やや快適」評価を保っている。1280×720ドットのHD解像度では69fpsと70fps前後の動作をみせ、「快適」評価となっている。
また、ROG Xbox AllyもフルHDだと36.2fpsとソロプレイで映像を楽しむだけならとも思える「普通」評価の動作だが、HD解像度なら47.6fpsとまずまずな動作。大規模戦闘をガッツリ楽しむというには心もとないが、カジュアルにソロプレイをするくらいなら、十分遊べると言えそうだ。
もう1つ、今年話題となった重量級のゲーム『モンスターハンターワイルズ』のベンチマークソフトの結果も見ていきたい。画質は「最低」、AMD FSRの「ウルトラパフォーマンス」に設定して、各解像度のスコアを計測した。


最低画質であればROG Xbox Ally Xは、フルHDでも平均74fpsと60fpsを余裕で超える動作をみせている。一方で、ROG Xbox AllyはフルHDで34.2fpsと以外にも30fpsを超える動作を見せているが、1280×720ドットのHD解像度に落としても評価は「設定変更の必要あり」となっている。
『モンスターハンターワイルズ』のベンチマークソフトは、アニメーションシーンも計測内容にあり、総じてゲームの戦闘中よりは高めの結果になる。そのため、実際にゲームをプレイしてみると、もっさりと動いてまったく遊べないということはないが、ROG Xbox Allyだと最低画質でも心もとない。
画面が小さいので、画質の粗さはHD解像度でも気にならないゲームも多いが、 『モンスターハンターワイルズ』もったいない粗さになるので、ROG Xbox Allyで 『モンスターハンターワイルズ』を遊びたい場合は、クラウドゲーミングかリモートプレイを活用したい。
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