内蔵GPU性能の高いCPUを採用
それでは、実際に「Claw 8 AI+ A2VM」の性能についても見ていこう。「Claw 8 AI+ A2VM」の主なスペックは以下のとおり。前述したようにCPUには、インテルCore Ultraプロセッサ(シーズン2)の「Core Ultra 7 258V」を採用している。「Core Ultra 7 258V」は8コア/8スレッドだが、Performance-cores(Pコア)が4つ、低消費電力のEfficient-core(Eコア)が4つという構成。
最近のゲーム機型PCは、8コア以上のCPUを搭載していることが多いので、マルチコア性能では競合に劣る可能性がある。一方で、内臓GPUは高性能な「Intel Arc 140V GPU」となっているので、描画性能に関しては高い性能が期待できる。



CrystalDiskinfoで調べたところ、ストレージはKIOXIAのBG5シリーズ「KBG50ZNS1T02」(1TB)だった。PCIe Gen 4×4で、112層3セルのTLC NANDフラッシュメモリ「KBG50ZNS1T02」を搭載。シーケンシャルリード最大3,500MB/s、ランダムリード最大500K IOPSを消費電力4.3Wで実現すると謳う。

シングルスレッドは高いがマルチスレッドは低め
筆者は初代GPD WINからゲーム機型PCの性能をチェックしているので、まずはこれまで計測し続けてきたデータと比較するためのベンチマークソフトで計測してみたい。筆者が所持している初代GPD WINは、Cherry Trail世代のAtom x7-Z8750(クラウドファンディングモデルや発売時期によっては異なる)を搭載しているが、最新のCINEBENCH 2024には対応していないため、当時使用したCINEBENCH R20で「Claw 8 AI+ A2VM」も測定して、CPU性能を比較してみたい。
今まで借りて来た製品の結果も含まれるため、「Claw 8 AI+ A2VM」以外は最新のOS、ドライバーではなく、あくまで各機種の記事執筆時点での結果だ。そのため、あくまで参考値として欲しい。
「Claw 8 AI+ A2VM」のOSはWindows 11 Home(24H2)で、記事執筆時点でのグラフィックス・ドライバーバージョンは「32.0.101.6734」。本体のパフォーマンス設定は「手動」でTDPを最大にして計測した。

「Claw 8 AI+ A2VM」はシングルスレッド性能が725と最も高いが、やはりマルチスレッド性能は、最新世代の8コア/16スレッドCPUを搭載したモデルに負けている。しかしながら、シングルスレッド性能は高いので、3年前には主流だった8コア/16スレッドの「Ryzen 7 6800U」とほぼ互角なマルチスレッド性能は有しているので、複数作業を同時に行うのもそれなりには快適にできるだろう。
最新のCINEBENCH 2024のスコアも計測し、過去にいくつか計測した競合製品の結果とも比較してみた。

当たり前だが、CINEBENCH R20と同じ結果で、シングルスレッド性能は最も高いが、マルチスレッド性能は最も低い。また、今までは計測していなかったが、今後使用する可能性もあるので、3DMarkの「CPU Profile」の結果も掲載しておく。

シングルスレッドでは1147と、一昔前の高性能なデスクトップCPU並みのスコア。最大マルチスレッドの性能は、そこまで高くないが、それなりに高いマルチスレッド性能を有している。
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