軽いゲームといえば1枚絵で描かれ、物語が進行するアドベンチャーゲームだが、新生した『ToHear』は3Dで動くようになったため、推奨スペックにGeForce RTX 2060を要求するほどに重い。そこで、画質優先の「グラフィックスモード」にしてフレームレートを測定してみた。

さすがに3Dで動作するためか1920×1080ドットだと平均34.7fpsとやや低めだが、それでも最小値28.8fpsとそこそこ快適に動作している。『ToHear』は画質を下げたり、解像度を1280×720ドットにすると、かなり眠い映像になってもったいない。
正直数値的には低く感じるが、画面が大きくカク付く、遅くなるシーンは冒頭では見受けなかったので、1920×1080ドットのグラフィックスモードで遊ぶことをオススメしたい。その点では、GPU性能がそこそこ高い「Claw 8 AI+ A2VM」は、相性が良いと言えそうだ。
マルチプレイ要素が強くなり、人を選ぶようになったがドハマリする人も多い『ELDEN RING NIGHTREIGN』のフレームレートもチェックしてみた。品質は「最高」に設定し、ホームのトレーニング場所でフレームレートを測定した。

フロム・ソフトウェアのゲームは60fps制限されていることが多く、『ELDEN RING NIGHTREIGN』も同じだが、1920×1080ドットでは平均31.6fpsとやや低め。1280×720ドットでは平均46.8fps、最小値32.2fpsと30fpsを超えている。ただし、実際にマルチプレイするとフレームレートが下がって、カク付く可能性はあるので、1280×720ドットで遊ぶのが無難そうだ。
最後に『勝利の女神:NIKKE』とのコラボも話題となった『Stellar Blade』の動作を確認しておきたい。品質は「中」、FSRの設定は「クオリティ」、フレーム生成を有効にしてフレームレートを測定している。

『Stellar Blade』はそこそこ軽く、今回の設定では1920×1080ドットでも平均76.6fps、最小値37.1fpsと快適に動作している。この動作であれば大型ディスプレイに接続してもフルHDで十分遊べそうだ。
メインPCとして使うのもアリな性能
「Claw 8 AI+ A2VM」はCPUの構成上、若干マルチスレッド性能は低めだが、シングルスレッドは現行のゲーム機型PCの中でも最高クラスで、自宅で使用するデスクトップPCの代わりとして使い、ゲームプレイ時は手で持って遊ぶゲーム機型PCが欲しい人に向く。
本格的なクリエイティブ作業には、高性能なdGPUを搭載したノートPCやタワー型のデスクトップPCが必要だが、ちょっとした写真編集や動画編集なら、高い内蔵GPU性能でこなせるのも本機の魅力だろう。また、クイックセッティングがタブ分けされて利便性が高い点も筆者は好印象で推したい。
ゲーム機型PCの中には、タブレットのように縦長のディスプレイ(ポートレート)を採用し、OS上で横長設定している製品もあり、そうした製品はゲームでフルスクリーンを選択するとエラーが起きるなど不安定だ。しかし、「Claw 8 AI+ A2VM」は横長のランドスケープディスプレイを採用し、ゲームをフルスクリーンで快適に動作する。

©CAPCOM
ただし、アスペクト比16:10を採用しているため、16:9表示にしか対応しないゲームでは、上下に黒帯がある表示になる。また、今回試した中では『Stellar Blade』は、ウィンドウモードにするとエラーで落ち、復旧するには一度大型のディスプレイに接続してフルスクリーンを選びなおす必要があった。
そうした小さい16:10のディスプレイを想定していない一部のゲームでは、エラーとなる可能性がある点は、少し注意が必要だ。
一方で、パフォーマンス設定はシンプルでAIエンジンにより、最適化を自動で行ってくれるなど、CPUのNPUを活かした便利機能や、リカバリーUSBドライブを作成する機能など、ライトユーザー向けの機能もある点はうれしいところ。
15万円前後とコスパの高いゲーミングデスクトップや、高性能なビジネスノートPC並みの価格はややネックだ。しかし、NPU搭載で20万円以上の競合製品もあるので、自宅のデスクで省スペースで使用するメインPCとして考えているなら十分アリな価格だ。4、5年は自宅のメインPCとして使い、余暇にはゲームを携帯ゲーム機感覚で遊びたい人は、購入を検討してみても良いのではないだろうか。
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